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【周南】ハーフマラソン世界一目指す! 日鉄ステンレスの高山さん
スポーツ周南市山口県周南市の日鉄ステンレス山口製造所周南エリアに勤務する高山侑大さん(23)が、4月に中央アジアのカザフスタンで開かれる国際知的障害スポーツ連盟(Virtus)主催のハーフマラソン世界選手権に日本代表として出場する。高山さんは同競技の世界記録保持者。国際大会初の栄冠に向けトレーニングに励んでいる。
高山さんは山口市出身で中学時代は水泳や駅伝を経験。山口総合支援学校高等部在籍時に本格的に陸上競技を始め、1,500メートル走、3千メートル走に親しんだ。
日鉄ステンレス入社後、素質を見抜いた陸上競技部の川口昌彦監督(53)の指導で5千、1万メートルなどに挑戦してきた。昨年のフランス国際大会では日本代表として1万メートルで見事優勝、5千メートルで5位に入る大活躍をみせた。
2022年12月の防府読売マラソンでは初参戦ながらいきなり2時間23分36秒の好タイムをたたき出した。トイレで2分ほどコースを離れたうえでの記録だ。2023年の同大会では2時間22分21秒で11位。年々タイムを縮めている。
2月に山口市で開かれた全日本実業団ハーフマラソンでは1時間5分19秒でゴールした。同タイムは知的障害者(ID)のカテゴリーで世界新記録。勢いをそのままにカザフスタンに乗り込む。ハーフマラソンがパラリンピックの種目に加えられていないため、4月の大会が実質的な世界最高峰の舞台となる。
川口監督が見る高山さんの強みは「無尽蔵のスタミナ」。競技後半でランニングフォームが崩れても落ちないペースが武器だ。
1時間10分台が記録の目安となるハーフマラソン。カザフスタンの気候やコース状態は現在把握できないものの、川口監督は「恐らく誰もついて来れないのでは」と期待を寄せる。高山さんが悩む花粉症もカザフスタンでは心配なさそうだ。
高山さんは日鉄ステンレスでライトワークスの所属。清掃や緑化業務を担当し、午後5時の終業後、社員寮から20キロのコースを毎日走り込む。週に2、3回、陸上部の合同練習では周南公立大でトラックを周回し調整をする日々だ。
大会に向け高山さんは「金メダルが目標」と闘志を見せる。