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[金曜記者レポート]下松市、周南市は利用継続 仕切り板、光市は一部撤去
読者の声その他5類移行、新型コロナ感染予防策に違い
コロナ禍で感染防止策の象徴となったマスクと、カウンターや卓上に置かれたプラスチック製の仕切り板。新型コロナウイルス感染症の感染法の扱いが5類に移行し、感染防止策が政府による全国的な規制から、原則として個人、企業などの判断にゆだねられるようになった。その結果、仕切り板を撤去する職場もある中、周南3市の市役所ではいずれも使い続けているが、3市で違いも見えている。
[下松市]下松市は「窓口は当面そのまま。コロナ以外の感染症もある」と使い続ける方針。同市の窓口用の仕切り板はプラスチック板にしっかりとした足がついた特注品。市内の業者に依頼して製作し、1枚8千円かかったという。
一方、段ボール製の足で立てていた簡便な職員間の仕切り板はすでに撤去。玄関にまとめて置いていた各部署ごとの名刺入れも以前の形に戻し、市のバスの乗車人数などの制限もなくすなど、窓口の仕切り板以外は緩和を進めている。
[光 市]光市では1階の市民課や税務課のカウンターの仕切り板は残しているが、2階の総務課などの仕切り板はすでに撤去。しかし撤去した仕切り板は各部署で保管を続けている。
[周南市]当面、本庁では部署を問わず移行前と同じように仕切り板を使用しているが、総合支所、支所など出先はその部署に委ねる方針。10日現在、積極的に撤去する様子は見られないが、いつまで続けるかは未定という。
3市とも消毒薬の設置などの感染防止策は今年度も続けられるよう予算も確保している。一方で、濃厚接触者の制度がなくなり、体調が悪い場合を除いて出勤が可能。学校などでは登校前に家庭で検温したかの確認や、給食時間の黙食も求めないなど変化も見られる。
再拡大に備え、しばらくは保管?
仕切り板の扱いは業種によっても違い、飲食店では3月に、新型コロナウイルス感染症対策を講じた飲食店の認証制度の基準が変更、緩和されて仕切り板を撤去できるようになり、その後、撤去が進んでいると見られている。
気になる撤去後の仕切り板の行方だが、周南料飲組合によると処分方法などの相談は今のところないという。
周南市では、家庭で使っていた仕切り板は、指定の袋に入る大きさに割るなどすれば市の「その他プラスチック」として資源ごみ回収に出すことできるが、今のところ、出される仕切り板は目立っていない。
5類に移行したとはいえ、感染がどこまで減少するかは不明。仕切り板も企業や店舗、家庭でも再感染に備えてしばらくは保管していると見られる。
もう一つの感染防止の象徴となったマスクも市役所のほとんどの職員、訪れる市民も、登下校時の子どもたちも着用。街を歩く人にもマスクをはずしている人はまだ少ない。早く「コロナ前」の生活に戻りたいが、感染は避けたいという板挟みの状態が続いている。
(延安弘行)