2026年06月15日(月)

コラム「一言進言」

いつから求職活動を?

いつから求職活動を? ~江本前駅長にみんなが唖然~

□埼玉県桶川市の市広報9月号に、周南市の道の駅「ソレーネ周南」の駅長だった江本伸二氏を7月1日付で市職員に採用したと紹介されていた。我が社が同駅の赤字問題でインタビューしたのが7月末だった。もうその時点で、彼は他市の職員だった。堂々とインタビューに答えていたが、指定管理者として道の駅を運営する周南ツーリズム協議会の藤井代表理事も一緒だった。売り場面積確保のため、コンビニエンスストアの移設を申し入れるなど、改革案も語っていた。彼のインタビューはなかなか実現しなかった。ずっと出張中が理由だった。しばらくして職員を辞めてボランティアで駅長を続けることになったが、理由は「少しでも経費を削減する」だった。
□前代未聞の展開に、周南ツーリズム協議会も行政も驚いた。「ソレーネ周南」の顔と言うべき駅長が密かに他市の職員になっていたのだから。昨年11月には桶川市に招かれ、カリスマ駅長として講演していた。いつから求職活動をしていたのか。東京出張も多かったが、自らの求職活動のためだったら、その経費はどう処理するのか。給料の二重請求だけではすまないだろう。
□江本前駅長を責めるだけで問題は解決しない。行政、ツーリズム協議会が形式的でない、本音で経営を論議することだ。まずツーリズム協議会がもっと責任を共有して理事会を含めて再構築することだ。行政も設立の経緯を含め、検証作業を進めることだ。
□周南地区ではJAが相当カ所の直売所を経営しているが、営業時間中の安定供給には苦心している。ソレーネ周南は市内の山間地など広範囲の高齢者たちが作る野菜も売れるようにヤマト運輸と提携、高コストの野菜を置いている。そうでもしないと農産物は集まらない。絶対的に農業者が足りないのだ。地産地消ばかりを強調するが、コストをかけて農産物を集めるシステムはビジネスとしては成り立たない。結局、小指の大きさの里芋まで売るようになる。ツーリズム協議会のメンバーに流通のノウハウを持つ人がいない。頼みのJAは設立当初から腰が引けていた。自分のところで精いっぱいだからだ。
□徳山商工会議所、周南観光コンベンション協会の一員として、設立に意見を言ってきた立場から、改めて当時の議論を思い浮かべている。江本前駅長は、人の意見を聞く態度ではなかった。最初から福祉の駅を作ると語っていたが、その意味を理解できた人がどれくらいいたのか。確かに高まいで、限界集落の人たちを救うことになるかもしれないが、まずは収益を上げないと不可能な課題だった。
□グッドデザイン賞という看板をもらい、桶川市でも大歓迎で受け入れられたようだ。渡り鳥のような生き方に良い、悪いは言えないが、周南市の多くの関係者に失望を感じさせたことは間違いない。一言、謝罪のメッセージぐらい欲しいところだ。

(中島 

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