2026年06月26日(金)

コラム「一言進言」

聞く耳を持った権力者に

~唯我独尊の危険に気づけ!~

■読売新聞までが安倍一強の弊害を厳しく指摘した。どんな賢人が語っても耳を貸さない政治家も、選挙の結果は痛烈に響くようだ。今回の東京都議会議員選挙、もう少し耳が痛い話にも耳を傾け、謙虚な心を持っていたら結果は違ったろう。敵か味方かだけで判断しないで、国家に有益かどうか、さまざまな意見を聞く場面を持たないと、国民の声を吸い上げられない。
■地方自治体でも首長は最高権力者だ。どうしても唯我独尊に陥る危険性を秘めている。本人が気配りできるか、気配りできる側近を常に置いておかないと長くその席に座れない。県知事で言えば平井龍さんが典型的だった。5期20年務めたが、態度もおうようで、「天皇」と陰口を叩く人も多かったが、周りを気配りできる人で固め、実に巧みな配慮で農協の親分など、周囲に実力者をしっかり抱えていた。
■それでもその傲慢さに嫌気がさす人も多くなり、最後の選挙では松岡満寿男さんの挑戦を受け、僅差まで追い込まれた。自民党挙げて守り、組織を総動員したが、党内で故藤井真県議会議員ただ1人が松岡さんの応援の先頭に立ち、物議をかもした。しかし、その信念が多くの県議の心を打ち、若くして副議長に選ばれた。選挙は負けたが、戦いには勝ったと言われたものだ。
■小新聞の経営に携わって40年近くになった。この間、多くの政治家、経済人の生き方を見てきた。政治家の成功とは何か。首長、議員を長くやることか。地域にどんな功績が残せたか。語り継がれる人は少ない。6月に亡くなった吹田愰さんはミニ角栄と言われたが、それだけ地域に影響力を持っていた。何人かの秘書は今、政治家として活躍している。㈱トクヤマの某専務など民間にも信奉者が多かった。独特の魅力を持った人物だった。
■周南地区の歴代市長もさまざまだ。議員になるともっと顕著だ。多くの人の記憶に残る人は少ない。首長1人では大したことはできない。行政マンを意のままに動かせた人が功績を残してきた。小川亮さんは旧徳山市に見事なコミュニティー組織を作り上げた。高村坂彦さんはバイパスや街中の新幹線駅など、今日の基礎を作った。これも皆、行政マンをその気にさせ、本気で仕事をさせたからだ。
■木村周南市長へのお願いは、駅ビルや新庁舎ではなく、市民の心に留まる施策を考え、若く優秀な行政マンたちを本気で取り組ませることだ。それは「しゅうニャン市」ではない。民衆駅としてオープンした駅ビルも、40年後には廃虚と化した。港を大改造して後世に残る地域にすることも合併特例債を使ってできたかもしれない。小川さんの意志を継いで、徳山駅西地区再開発ができたかもしれない。何百億円の特例債を使ったのだろう。

(中島 

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