2026年06月26日(金)

コラム「一言進言」

逃げることしかできない災害対策

~急げ情報伝達を!~

■幼子を抱き締め、濁流にのまれた妊婦のニュースを見るとやるせない。なぜ早く逃げなかったのか。なぜ早く避難させなかったのか。東日本大震災、熊本地震など、近年の自然界の暴れようは異様だ。全国至るところで猛威をふるっている。いずれも観測史上最高、想定外などの文字が飛び交う。気象庁は「過去経験したことがない雨量」という表現も使いだした。
■多くの学者が、世界で起きている異常な豪雨などは、地球温暖化による海水温度上昇が原因と言っている。40度近い気温は当たり前になった。昔は熱中症などの言葉はなかった。
■数日前、大分県日田市で仕事をしている身内から動画が送られてきた。川がはんらんする瞬間の映像だった。あっという間に街中に濁流が流れ込む画面に、思わず早く逃げなさい!と叫んでいた。一度の豪雨で穏やかな街の風景は一変した。こんなことは初めて、とお年寄りのインタビューが流れる。「観測史上初めて」「想定外」は子どもたちも覚えてしまった。
■金もうけに走り続けた人間への痛烈なしっぺ返しのような今日の自然災害だが、人間たちは反省する気配は全くない。トランプ米大統領はいとも簡単に温暖化対策を定めたパリ協定から撤退。経済最優先の政治は国民に一番受けている。少々政治家、政府が変なことをしても経済さえ良ければすべて良しの流れは変わらない。山を削り、海を埋め立て、排気ガスを出し続け、生産増だけに邁進してきた人間の営みに、地球も悲鳴を上げているのかもしれない。
■どだい大自然の力に人間が勝とうと言うのがおこがましい。いくら堤防を高くしても、河川をコンクリートで覆っても、耐震化を進めても、想定外は必ず起きることをこの間随分体験した。とにかく逃げることしか究極の対策はない。より安全な場所を求めて避難することが最後の選択かも知れない。そのためには情報の伝達をしっかりすることだ。
■熊本地震の際、愛媛県あたりで地震と流した周南市の緊急通報。6年越しに始まった工事も設計管理ミスで遅延する防災行政無線工事。周辺自治体に恥ずかしいほどの危機管理しかできない周南市に不安を覚えるのは私1人だけなのか。これまで大きな災害を経験していないから、市民も危機感なんかない。多くの被災地がそうであるように、何百年に一度の災害のためには何もできないのが現実だ。しかし、情報が伝達されるようにすることはすぐにでもできる。人間は猫のような動物的勘はない。ニャンともしがたい。

(中島 

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