2026年06月25日(木)

コラム「一言進言」

総裁選はコップの中の嵐

~ 一億総保守化の日本人 ~

■ 山口県が保守王国であることは自他ともに認めるところだ。数多くの総理大臣はじめ、大臣も数えきれないくらい輩出した。安倍首相が辞任を表明したが、保守の地盤は揺るぐことは決してない。辞任にあたり様々な論評が新聞各紙に展開されているが、基本的な国の在り方は何も変わってこなかった。

■ 衆院の中選挙区時代は、社会党や民社党の国会議員も登場したが、ここ最近は県内では国会議員全員が与党の状態が続き、保守の岩盤を崩せる気配も極めて薄くなった。山口県だけを見ると政権交代など夢のまた夢の感が強い。だからかどうか、投票率も激減し、2人に1人しか投票しなくなった。

■ 山口県だけの問題ではない。日本中が国政に鈍感になってきた。モリ・カケ問題での公文書改ざん、桜を見る会のずさんさ、検察トップ人事の不祥事、広島の河井夫妻の多額の選挙買収問題など、ここ2年の国政の不祥事は目を覆わんばかりだが国民は怒らない。国会議員自体が論議することを避け、国政を語らない有様にマヒしてしまった。

■ みんな安倍首相におんぶにだっこで、ひたすら恩恵をこうむろうと言わんばかりの言動は不思議でならない。アベノミクスに感動して我を忘れたかのようだ。「地方創生」「一億総活躍」など次々とスローガンを掲げ、経団連に賃金を上げるよう要請するなど野党の付け入るスキのないスローガンで権力を盤石なものした。不祥事に内部から批判する議員はごく少数だった。

■ 考えてみれば政権を取った民主党も、主なメンバーは元自民党が多かった。急進的な政治家は早い段階で民主党を去った。自民党の支持率は未だに40%を超えている。野党は散々だ。日本人は基本的に村社会で成り立っている。革新的な変化を求める民族ではないかもしれない。島国らしく安定した社会が何より大事だと思っている。

■ 思い返せば、日米安保に反対する声は70年代で消滅してしまった。以降は経済大国の掛け声に押され、国民の大半が日常の生活に埋没した。格差が広がろうが、理不尽な政治家が多少現れようが、政権を変えるような選択肢はなくなった。かくして総裁選はコップの中の嵐とでも言おうか。大騒ぎするほどでもない。できればもう少し人口を増やすこと、少子化を防ぐことに熱心になればいい。地方で望むことはそれだけだ。

(中島 

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