コラム「一言進言」
力ずくで相手を押さえつけるリーダー
〜果てしない人間の欲望〜
■学生時代、ベトナム戦争は自分にも近い戦争だった。広島にいたので米軍岩国基地に近かったから、戦死した米軍兵士の体を洗浄するというアルバイトの話を聞いたときは衝撃的だった。当時では破格のバイト代だった。もちろん行くことはなかった。べ平連の友人から脱走米兵の話を聞いたのもそのころだ。
■ベトナムでの米兵の横暴さに怒り、ベトナムの人々の悲惨な体験を知り、やるせない思いをしていた。なぜ、他国で村を焼き払い、容赦ない空爆で女性や子どもたちの命を奪っていくのか。街中で若い仲間と反戦を叫んだ。
■あれから50年以上たつが、世界は一向によくならない。常に世界のどこかで戦争をしている。そして、そのほとんどが欧米か昔はソ連、今はロシアが絡んでいる。ソ連時代の最後はアフガニスタンに侵攻し、10年近く戦争が続いた挙げ句、撤退後、ソ連は結局崩壊した
■20年前の9.11で米国は、やはりアフガニスタンに侵攻したが、20年後に撤退してアフガニスタンが疲弊しただけの結果に終わった。イラクに至っては、大量破壊兵器があるとのガセネタで空爆を開始して一気に攻め入り、フセイン大統領を殺してことが終わるかと思えば、今のように混乱を残したままの撤退になった。
■どの戦争も犠牲になったのは数えきれないほどの子どもや女性たちだった。ベトナムを除いて、繫栄していった国はどこもない。結果的には荒廃だけを残した戦争になった。大国のエゴで始めた戦争は、侵攻した大国にも良い結果をもたらしたことはない。第二次世界大戦で学んだはずが、その後のリーダーたちのエゴで、ことごとく破滅の道を行った。
■人間は学習能力があると威張る。動物にそれがないと言うのだ。本当だろうか。動物は一度危険な目にあったら、二度と同じ過ちを犯さない。歴史に残る戦争を千年も二千年も経験したが、人間の欲望は果てることがない。平気で子どもの命を奪っている。
■テレビや新聞でコメンテーターたちは、ロシアのプーチン大統領の人間性を取り上げて悪口を言っている。あのベトナム戦争で、あのイラク戦争で、欧米諸国のリーダーたちをここまで取り上げたか。力ずくで相手を押さえつける人間に対して、誰であろうが抗議できるリーダーが理想だ。夢のような話だ。武力の大きさが国の強さだと信じている人たちにとっては、もっと夢のような話だろう。
(中島 進)
「安全で 安心して 長く勤められる会社」をスローガンに、東ソー株式会社等の化学製品を安全かつ確実にお届けしています。安全輸送の実績でゴールドGマーク認定を受け、従業員が安心して働ける環境と「15の福利厚生」で従業員の人生に寄り添っています。
東ソーが生み出す多種多様な製品は、社会インフラや耐久消費財など人々の生活に役立つさまざまな最終製品に使われています。総合化学メーカーだからこそできる、化学の革新を通して持続可能な社会に貢献していきます。
