2026年10月08日(木)

コラム「一言進言」

法令に反してまでなぜ強行?

〜市民と接点を減らすことが目的か?〜

■周南市も来年で合併して20年を迎える。過ぎれば早いものだ。合併の結果については見る視点や果たした役割などで賛否も様々だろう。東京都の二十三区より広い面積になって、行政の恩恵をこうむったところと、疎外感を感じるところ、これもまた様々だろう。職員と市民との関係は果たしてどうだろうか。

■この19年の間で4人も市長が替わったのも特徴的だ。人事にも苦労しただろう。旧新南陽市から副市長は選ばれ、人事もどうしてもよく知った仲間が重宝され、いろいろな確執が庁内で展開された。本当に人格的にも、能力的にも優れた人が選ばれることも少なく、庁内融和が最優先された感が強かった。

■当時20代、30代の若手も、今や中間管理職になった。この間、上司が部下を指導して、模範的な職員へと教育する機能が希薄になった。要するに一体感が薄れて行った。何より従来限られた地域での関係で、それぞれが市民と接触する機会がたくさんあったのが、市民の顔を見て仕事をする機会が減り、市民の側もそうだが、市職員も市民を知ることに鈍感になった。

■その結果と言うべきなのかが、今回の周南緑地公園と中心市街地の管理業務を、営利を目的にした私企業に丸投げで委託する案だ。市民と接触する機会をことごとく放棄するこんな案に、職員がなんの疑問も持たずにまい進している姿を見ると、合併の後遺症としか思えない。中心市街地に至っては、明らかに中心市街地の活性化に関する法律の趣旨に反すると思われるが、担当者は平気だ。

■旧徳山市の市街地は衰退の道を歩き続けてきたが、商工会議所中心に多くの人が参加して、中心市街地活性化協議会を設立し、内閣府から基本計画の認定を受け、地域指定を勝ち取った。法令に即して、まちづくり会社の「まちあい徳山」も設立、駅前図書館についても中活協のメンバーと、行政と、CCCとも多くの議論を重ねてきた。ところが今回は一切、中活協にも諮らず、さっさと「議会の承認を経た」と実行に移し、許認可の権限を金もうけで受ける会社に一任するというのだ。

■中心市街地における使用などの許認可の作業は、活動する市民と行政との大切な接点でもある。共に街に元気を取り戻そうとやって来た活動を、必要ないと切り捨てる蛮行だ。市民と接するのは手間暇かかるからと止めてしまうのが周南市役所のこれからの主題とするなら、行政はどこで市民活動を知り、どこで共に汗を流すのだろうか。法令を無視してまで強行する理由を理解できる市民は、ほぼいないと断言できる。

(中島 進)

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