コラム「一言進言」
「恥を知れ!恥を!」
〜安芸高田市が大炎上!〜
■ 広島県の安芸高田市がネット上で大層な評判となっている。明石市の泉房穂前市長に次ぐ評判だ。同市の石丸伸二市長は、3年前の広島で大騒動になった参院選広島選挙区をめぐる河井克行前衆院議員の買収騒動で辞任した前市長の後に、当時の副市長を相手に急いで帰郷し、わずか1カ月の選挙戦で勝利、39歳で市長に就任した。
■ 京都大学卒、三菱UFJ銀行入社、アメリカ勤務で世界を何カ国も担当したエリート社員だった石丸市長は、意欲的で、正義感にあふれている。初めて経験した地方議会で、いびきをかきながら寝入る議員や、一般質問を一切しない議員を目のあたりにして、「恥を知れ!恥を!と言われますよ」と議場で語り、ツイートでもその実態を書き込んで大騒動になった。
■ 腹を立てた古参議員たちは、その後ことごとく反発。「無印良品」の道の駅出店契約も否決。副市長を全国公募して4,000人を超える応募者の中から選んだ優秀な人材も拒否。今年には決算も否決するなど、古参議員たちは自分の子どものような年齢の市長に徹底抗戦している。
■ 石丸市長はマスコミにも手厳しい。広島で圧倒的な発行部数を誇る中国新聞に対して、記者会見で「なぜ事実を書かないのか?」と、古参議員らを擁護するような記事に逆質問で反論する模様もユーチューブにアップして、全国で驚くほどの反響を呼んでいる。小さな地方紙を発行している我が社にも、はっとさせる声が多く寄せられている。
■ 特筆すべきは、市民モニター制度を使って、市議16人を対象に「市民の声を聞いていると思うか」などアンケート調査を実施し、市広報で公表したことだ。古参議員たちはさすがに怒りをあらわにして、さらに市長に敵対している。ただし、石丸市長は庁内でも「360度評価」として上司が部下を評価するのは当たり前だが、部下が上司を評価する制度も採り入れ、自身も管理職から評価を受け、その結果も公表している。
■ 明石市の泉房穂前市長は、自公の市議たちと徹底的な争いをしたが、市民たちからは圧倒的な支持を受けた。全国の地方自治体のほとんどが「まあまあ」のなれ合い自治体だろう。来年の安芸高田市の市議選と市長選は、全国で注目されるだろう。
■ そういえば旧徳山市時代、何期も市議をしていた中山間地域出身の御仁がいた。一般質問はほぼ1回も聞いたことはなかったが、委員会で昼前になると「もうそろそろ昼飯にしよういや」の発言だけは覚えている。彼は夏になるとトラックいっぱいにスイカを積んで市役所にやってきていた。
(中島 進)
