コラム・エッセイ
No.09 日本はダメになっていない2・・・このあきれるばかりの税収増→何が悪いというのか
独善・独言にわかに焦点が当たっている税収、22年度決算では10年前比62%増、前年度比4兆円増、さらに、初めて70兆円超えと、あきれるばかりの実績をだしている。
この増収要因に関して政府からは以下の解説があった。
まず個人の所得税増収の要因について、『物価高や人手不足による名目賃金上昇、株主の配当増加がうまく作用した』とする。まてよ、賃金水準は今年の春闘まで永らく停滞していたのではなかったのか。また、配当増というが20年度以降の企業業績はコロナで低迷していたのではなかったのか。
さらに、12年度比較では61%、8.6兆円も増加している。この10年間一人当りの賃金に伸びがないというが、単に女性の社会進出増による働く人増→分母増に要因がありはしないか。
次に法人税、『コロナ禍からの経済正常化や円安が輸出企業に追い風になったことで堅調に推移した』とのコメント。20年度からのコロナ期間の税収は、コロナがほぼ影響していない19年度比むしろ増収になっている。正常化してきたわけではなく、コロナを克服していることは明らか。
また、円安が好影響?、『輸出は良くても輸入企業には逆風であり、円安は痛み分けの影響がでる』としていなかったか。
10年間の推移をみると、アベノミクスの一環で実効税率が5%以上引き下げられたにもかかわらず、53%、5.2兆円の増収になっている。09年度のリーマンショック以降、ごく順調な景気推移を裏打ちしてはいないか。
消費税の増収の要因は『物価の上昇や個人消費の持ち直し』としているが、物価の上昇により消費者は買い控えをして、消費は停滞しているのではなかったか。10%引き上げ後の20年度以降の推移をみて、いつ消費は落ち込んでいつ持ち直したというのか。
ここ10年間、税率が5%から2倍の10%に増した国民の傷みは、12兆円の増、税収全体の3分の1を占める税収の柱に見事に結実したのである。
知識人の発言や新聞報道はダメばかりを強調するが、日本経済が、そして我が国の国力がまんざらでもないことを、このあきれるばかりの税収増を論拠に反論したいという気持ちを抑えられない。
とは言いながら日本が課題山積状況にあることには間違いない。失われたというこの30年間、バブル、リーマン対策。東北大震災、原発事故、コロナなど“降りかかる火の粉”を払っていくなかで、先送りしてきた諸課題(次稿以下に触れたい)は結局国の過大な借金に収れんする。対応したくても“ない袖は振れない”のである。
そんななかで税収増を国民に、それも弱者以外にもあまねく還元するという。なんと愚かな・・・。孫の時代に国家財政は破綻状況に陥って、判っていながらキリギリス政策を続けてきた我々じい様世代を恨むことになることは疑いようもない。
・・・がどうでしょうか。
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