2026年01月30日(金)

コラム・エッセイ

No.64 地方自治考8・農業政策は空回りをつづけてきた➡大規模化への革命的な転換を急ぐべきでは

独善・独言

 学校行政に続いて僻地の課題のひとつ農業をとりあげたい。

 農業危機…①JRの車窓からセイタカアワダチソウの耕作放棄地をみていると悲しく寂しい。②飼料を含めた食料自給率は10%切るという報道を聞く。③農業従事者の平均年齢は68歳、現在116万人が20年後には30万人まで減少する予測がある。④令和のコメ騒動…いったい国内の米の生産能力は大丈夫なのか。

 11月に農林水産大臣に就任した江藤拓氏は就任記者会見で『日本の農政は大転換が求められている。大胆に運営して殻を破って農業の体質の強化をはかる』としている。

 日本の産業構造は大きく変化した。昭和30年の第一次産業従事者は41%、現在は5%を割る。農業生産高のGDP構成比は8%程度らしい。そのような戦後80年の変遷のなかで農水省は独立の省とし農政をリードしてきた。コメの減反政策、圃場整備、有機農業、六次産業化、スマート農業…農水省が打ち出した施策で「日本の農業の将来に見通しがついた」と印象付ける成果は何一つ生まれなかった言えば批判がひどすぎるか。

 私の美祢市の山間の故郷では農事組合法人が組織化されている。地域の全27家が加入しており私も不在者組合員である。我が営農組合は成功している。⑴全地が圃場整備されており、⑵最新の大型機械を導入し、⑶荒廃地はゼロ、⑷大雑把に収支をみると、年間売上は1,400万円、最終利益は400万になる。まず模範になる営農組合ではないかとひそかに思っている。

 しかし、その内実は、⑸組合員の平均年齢は70歳を超えており、⑹後継者が明確な家は4家にとどまる、また、⑺利益は計上しているが営業利益段階では大幅な赤字になっており、多額の助成金、補助金、交付金で黒字化しているのが実体である。

 組合の74歳になるリーダーは5年後のメドがたたないと嘆き『これを解決するには組合規模の拡大しかない。市町ごとでは生ぬるい、県単位で経営管理する組織変革が必要である』と主張している。

 そこで私の主張。酪農や園芸等、特殊種目生産の零細農家の支援は重要であると思う。しかし、こと米つくりは大規模化への革命的な対応を急ぐべきであると思う。まず市町で営農組合を一本化する⇒つまり農業は市町の経営に移行すべきと考える。

 それによって㊀地主の提供を受けて組合が市内の農地を一括管理する。㊁その際、現耕作放棄地を含めて効率農業に相応しい土地を優先する。㊂日当たりが悪い、水の供給が難しい、狭い、圃場整備ができていない、大型の農機が入らない…それらは対象外とし基本は太陽光を設置する。無理なら柿や栗等、ほかのゼニになる果実生産に転換する。㊃最新大型機械を適宜投入する。㊄組織をこれまでの農家の一人ひとりが経営者である体制を転換、耕作効率化のための生産、内部管理、営業の精鋭体制をつくる。㊅そのような経営管理者の指示の元、営業、生産作業、水田管理、果実管理等々それぞれの力量に応じて雇用の機会を提供する。農業のことは何も知らない私も草刈りの単純作業に参加したい。

 実施には様々な法的、慣習的障壁、さらに個々人の思いがあろう。しかし“日本の農政は大転換が求められている”現在、この大規模化対応が絶対になる。きっと団塊の世代の農民がすべて死滅するであろう20年後にはこうなっている、こうならざるを得ないと思う。

 A表のとおり周南3市の農業規模なら市ごとでなく3市の統合事業になろうが、対応しなければ田園風景は他市同様みじめなものになろう。

あんのA.jpg

 評論家寺島達郎は都会より地方の老人の方が幸せである、なぜなら参画できる一次産業がすぐそばにあるからと。ナルホド。

…どうでしょうか。

講演請負業 阿武一治 kazuharu.anno@gmail.com

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