2026年01月30日(金)

コラム・エッセイ

No.102 戦後80年考追記・石破首相の「見解」を聞いて改めて戦争責任を明確にする難しさを感じたが…それでよいのか

独善・独言

 3稿にわたって「戦争の検証」をテーマにしてきた。9月に手にしたA書には興味ある新しい発見があったので最近の話を交えて追記をしたい。

 ㊀あの時事通信カメラマンの暴言。“選ばれた報道”というエリート意識にヘドのでる思いになる。

 A書→陸軍士官学校出のエリート青年将校は「兵隊の胆力を養成するには生きた捕虜を銃剣で突きささせるにかぎる」と言ったとある。戦争は人を鬼畜にするといわれるが…それだけか。戦時の残虐行為は“切り捨て御免”的なエリート軍人の選民意識から発生してはいないか。今回のカメラマンにも同じニオイを感じる。

 ㊁A書→石橋湛山の主張、「ろくな資源もない台湾や朝鮮にカネをつぎ込んでいればコストばかりかかる。日本は植民地を放棄し、むしろ貿易に専念した方がよい」を「驚くべき先見性」と賞賛している。その先見性が当時通用しなかった流れは何か。本旨とは真逆の満州侵攻はこの数年後のことである…残念。

 ㊂石破首相の「戦後80年見解」にはいつもどおり賛否が別れたが、読売新聞社説の「メッセージの発出に見識を疑う」という“酷評”には驚いた。「自身の実績作りに執着するかのような振る舞いは残念でならない」とまでの批判、非難である。

 「この検証はすでに出し尽くされている」⇒では新聞は何の目的で毎夏、語り部をもとに戦争惨禍の特集を続けているのか。「中国などがこの見解を歴史認識に利用することを懸念する」⇒その歴史認識が日本の中でオーソライズされていないからこその、本見解の一石ではないのか…私は混乱する。

 ともかく、この見解への肯定者も多いなかで、あえて両論併記的従来スタンスをかなぐり捨てたこの“読売新聞の片寄り”…今後を注目する。

 ㊃歴史認識に関してもうひとつ。A書では開戦に至った日本の理屈に関しても多くのページを割いている。

 海軍大臣永野修身は開戦に納得しない天皇陛下に「日米関係を病人に例えれば手術をするかしないかの瀬戸際にある。手術をすれば非常な危険もあるが助かる望みもでてくる」と説得したと記している。 

 今回の石破見解ではこれを精神的、情緒的な誤った判断であったと指摘しているが…そう言い切れるか。アメリカには長期の戦争遂行が難しいという国内事情があり、海軍は初戦に勝って講和に持ち込むという基本戦略であったともいう。当時なら“良識派”という位置づけなのかもしれない。

 ともかく、戦争認識は結果だけでは判断できない面があるということ…難しい。

 ㊄高市新総裁に対する記者の質問。『靖国には参拝されますか』…これに国民の何割が興味をもつのか、むしろ中国や韓国と争いを起こしたいという意図なのかと疑ってしまう。

 二葉百合子歌「九段の母」の2番、「…こんな立派なお社に 神とまつられもったいなさよ 母は泣けますうれしさに」…この歌詞に何か違和感をもつのは私だけか。

 靖国は戦死軍人だけが祭られていると聞く。民間人を含む300万人余の犠牲のもとに、今日の民主主義国家としての繁栄を得ることができたことを、認識し、感謝し、慰霊する施設を新たに創ってほしい。靖国参拝も中韓の反発ももうウンザリである。

 ㊅A書ではそれを「戦争博物館」を設置としてはと提起されている。ただ、本書も石破見解も、私が主張する戦争を総括する機関を作ることには踏み込んでいない。国が破綻したのはなぜか、戦犯⇒間違った方向に誘導したのは誰か、日本人は戦争で何を失い、何を得たのかはオーソライズされていない。日本と日本人が二度と狂気に走らないように…どうでしょうか。

 本稿で102稿になった。ネタ切れになった。社にお願いして隔週にさせていただいた。今後も…。

A:評論「あの戦争は何だったのか」
辻田真佐憲著。9月21日読売新聞書評欄にあり。戦争が起こった要因、政府の理想の検証、軍部暴走の経緯等をバランスを欠くことなく評論。初めて聞く史話も多い。オモシロイ

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