コラム・エッセイ
高齢者支援提案
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子社会福祉法が改正された。今回の改正は、高齢者の支援に関する内容だそうだ。
社会福祉体制の整備は高齢者に限らず、国民全体に重要なことだが、高齢者の福祉課題が他の世代と異なるのは、他の世代では心身の健康や経済状態への困難に対する支援が主になるのに対して、高齢者では、それに加えて認知症などの社会生活への判断能力の低下、それに孤独・孤立化への対策・支援が重要になることだ。
高齢化は必然的に一人暮らしの増大につながる。人と交流がなくなる。会話がなくなる。物言わず塞ぎ込む。活動も乏しくなる。体調も悪くなる。家族と同居していてさえおこるこんな状態が、一人暮らしではますます加速されるだろうとは容易に想像がつく。
孤独・孤立状態は、手身近にいえば、話し相手がいない状態だ。話し相手を得るためにはまず、人と接することが必要と、デイサービスの充実、交流場所の設置、老人施設への入居などコミュニケーションの機会を増やす工夫や施策が試みられていて、相応の効果は得られているのだろうが、これで孤独・孤立問題解決とは言えないようで、デイサービスに通っても、サークル活動に加わっても、やはり馴染めず物言わず過ごすことも多いと聞く。
わがつれ合いは、自分も恐らくそうなるタイプだと言う。話が出来ないのではない、話すことが嫌いではない。が、話し相手がいないのだ。同年代のお仲間が集まれば最初は話が弾むかもしれない。だが長続きはしない。互いに沈黙がやってくる。互いに話すことがないのではないが、相手の話を聞きたいのではなく、自分の言うことを聞いて欲しい、自分の言うことを聞いてくれる相手が欲しいのに、それがいないところに長居はしたくない。だから黙る。こうなるだろうと言う。
どうすればいい?自分で機会を作るしかない。そのモデルをいま作っているという。
もうかれこれ3年続いている、高校生Rさんとのオンラインおしゃべりタイム。毎週末の制限時間1時間の自由会話。近況報告、人付き合い、学習、将来、人生論、何でもござれだが、つれ合い殿の独演会で終ることが毎回だという。
それでも時には主張や相談を交えながら、時間いっぱい聞いてくれるRさんを「こんな話し相手がいれば、高齢者の孤独・孤立問題など起こらないだろう」とうれしそう。だが、誰もがこんなに運良く理想的な話し相手は得られない。
「そこで提案したいのは、AI活用おしゃべり相手。発達著しい生成AIはこちらの問いかけに即座にしかも決して相手を否定せず、心地よい回答を返してくれる。やり取りを音声会話にし、自分専用のアバターにすればめいめいにRさんができるだろう」
あらかじめ録音されたせりふで応じるこれまでのおしゃべり人形でなく、リアルな会話が出来るおしゃべり相手なら、これは商品開発する価値十分ありそう。日本中にRさんが出来ればもっといいのだが。
(カナダ友好協会代表)
