2026年06月26日(金)

コラム・エッセイ

02 充実感が心を染めてくれた

ライブハウスと私 兵頭尚吾

自身の初ライブを終え、暫く余韻に浸りながらも「自分の将来」を具体的に想像し始める。

バンドを続けるのか、進学するのか、就職するのか。

自問自答を繰り返し、出した決意は「音楽業界で働きたい!」ということ。

その決断を快く受け入れてくれた両親には感謝しかありません。

今思えば、長かった私の思春期はその時に終わった様な気もします。

上京して初めての夏。

音楽の専門学校で知り合った友人に頼まれ、初めてスタッフとしてライブハウスへ。

重たい機材搬入、リハーサルの音作り、街中へ繰り出し余ったチケット販売、路上ライブのセッティング。

本番終了後の「打ち上げ」を体験した私が帰宅したのは朝方。

疲労感たっぷりだったけど、それ以上の充実感が心を染めてくれました。

その後、そのバンドのスタッフとして全国ツアーにも従事。

車一台で日本中を何週間も駆け巡る。

楽屋で炊いた米に、おかずはスーパーの半額総菜。

公園の水道をお風呂代わりに、車中泊も当たり前。

ベッドで寝たいという気持ちもあったけど、

それ以上に全国のライブハウスに行けるのが嬉しくて。

これもまた苦痛ではなかった。

ツアーで暫く学校を休んだあと、久しぶりに登校して見つけたのは、

「ライブハウス ブッキングスタッフ募集」の張り紙でした。

これは卒業する先輩方のための求人で、一年生の私には無縁の話なのは分かってる。

それでも「働きたい!」気持ちは止まらず、勢い任せに応募して面接へ。

結果は「採用」。

嬉しさに震えました。

退学届けを手に向かった学校からは「就職がゴールだから、卒業式だけ来ればいいよ」と感慨深い愛をいただき、在学したまま働くことに。

ここから私のライブハウス人生が始まります。

次回は東京でのライブハウスの話を。

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