コラム・エッセイ
05 ― メジャーデビュー ―
ライブハウスと私 兵頭尚吾前回の続き。
365日フル稼働する店舗の店長に就任した23歳。
ここが人生のターニングポイントに。
昨日までいた店長や上司は居なくなり、自分が中心のライブハウス。
まだまだ経験の浅い自分が本当にやれるのか。
不安材料だらけの状況で店長生活がスタートしました。
1年目。これまであまり気にしてこなかった「売上」の重圧は凄く、
店長や上司が居た時代の数字に達成する事は出来ず、結果は惨敗。
苦しい毎日が続きます。
「この仕事に向いていないのか?」
「あの人に頼んだ方が良い店になるのではないか?」
ネガティブな思考が先行し、思い描いた未来とは程遠い現実に直面。
それでも、私を信じて出演してくれるバンドや、スタッフ、可愛がってくれる事務所やレコード会社の先輩方のおかげで、何とか仕事は続けられていました。
店長として2年目の24歳。
苦しい日々に嬉しい吉報が飛び込む。
息を切らして事務所に顔を出したのはバンドA。
「ひょーさん!デビュー決まった!!!」
私を信じて付いてきてくれたバンドが遂に
念願の「メジャーデビュー」を果たす。
あの日の事は今でも鮮明に覚えていて、夢が叶う瞬間を一緒に喜べたその時、これまでの苦労が全てぶっ飛びました。
そこからは水を得た魚の様に、仲良くしてくれた数多くのアーティストが次々と世に認められ始め、10人しか呼べなかったアーティストは100人、300人、500人と一躍人気のグループに。
「あそこのライブハウス良いよね」
「うちの新人アーティストをそちらのイベントに出させて欲しい」
有名人を輩出し、勢いに乗った店舗の流れは凄まじく、全国のバンドから出演希望が届く。
苦しんだ「売上」もオープン以来過去最高に。
そして、3年目となる25歳。
この時出会った人が新たな自分の「夢」を与えてくれました。
次回はその時の話を
