2026年06月25日(木)

コラム・エッセイ

08 ― フル稼働 ―

ライブハウスと私 兵頭尚吾

前回の続き。

東京と山口の温度差を痛感する事になったOPEN初日。

不安だらけのまま開場し、徐々にお客さんが入店してきて本番を迎えた。

SE(入場曲)が鳴り、ステージに照明が照らされる。

「いよいよ始まる…」

大きな緊張感に襲われ、当日の本番シーンは殆ど記憶していない。


ただ、ライブ終盤にアーティストが放った一言が、今も深く心に刻まれている。

「見て下さい。汚れてもいないこの真っ白な壁を。

 ここにこれから色んな街の声が塗られていく。

 どんな色になるかはこのライブハウスの人とあなた達。

 音楽の色は自由。ライブハウスをこの街に作ってくれてありがとう」


その言葉が山口県に来たことを若干後悔していた私の心を救ってくれた。

決意新たにこの店から再出発した人生。

どうせやるなら全力で楽しもうと、無我夢中で埋まらないカレンダーに色を足していく。

2年目が過ぎた辺りには、このライブハウスを盛り上げていきたいと思ってくれる新しい仲間も増え、
週末だけではなく平日もライブを開催。

そして…

3年目の秋。OPEN当初から目標にしていた「フル稼働」を達成。

これでようやく胸を張って「ライブハウス」と言える状況に。

この街からライブハウスとして認知してもらい、

音楽を生業にしていきたいと夢を語る出演者も増え、

山口県のアーティストを全国に発信出来る環境が整ってきた。

そしてOPENから7年目。

想像もしていなかった吉報が届く。

今や中国地方を代表する夏フェス「WILD BUNCH」。

その開催地がここ山口県に決まった。

そのチームの一員に加えていただいたことで、この街の音楽の発展のために、再び熱を燃やす。

WILD BUNCH開催初日。

Opening Actを務めたのは、お客さんが一人の状態からLIVE rise SHUNANに何度も出演してくれたバンド。


そして数年後…

そのバンドが日本武道館に我々を連れて行ってくれた事をきっかけに

次の夢をくれました。

ここで戦えるアーティストを産みたい。


次回は、その夢のお話を

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