コラム・エッセイ
12 ― 夜明けは来る ―
ライブハウスと私 兵頭尚吾前回の続き。
年が明け、2021年になっても感染拡大は止まらない。
夏が過ぎても業績は悪化し続け、いよいよ限界が見えてきた。
業績悪化を目の前に、会社からは「閉店する」と言われてもおかしくない状況。
ここで終わっちゃいけないし、終わらせない。
だけど、もうこれ以上、会社に迷惑もかけられない。
そう判断した私は会社を辞め、独立を選択した。
コロナ禍での新規法人。
このライブハウスに懸けた想いと夢は簡単には捨てられない。
必ず夜明けは来ると信じ、2021年4月に株式会社ライブライズを設立した。
一緒に働いてくれていたスタッフも私に付いてきてくれ、再び人の人生を預かる大役を担うことになった。
会社に守られてきた生活は一瞬でひっくり返る可能性がある。
まだまだ制限がある中で、元通りの売上にするにはかなり時間が必要なのも
分かっていたし、不安と隣り合わせの状況だったが、走っていく決意は固まっていた。
全スタッフが一丸となり、自分たちに出来ることで売上を上げていった。
そして、
夏が過ぎ、秋を迎える頃。
春から取り掛かっていた文化庁が支援する大きな補助金の申請の許可が下り、曇った空に一筋の光が照らされた。
そのおかげもあり、初年度は想定よりも少ない赤字で決算を迎えることができた。
2022年。周南ライズ開店15年目。
少しずつ制限も緩和され始め、イベントやライブも開催しやすくなってきた。
以前から仕込んできた大きなイベントを絶対に成功させなければならない。
慎重に冷静に、でも大胆に。次々とイベントを仕掛けていった。
アリーナやホールに出演しているバンドもこの年だけは周南ライズへ帰ってきてくれた。
次回は周南ライズ15周年の話を。
