コラム・エッセイ
14 ― 山口県周南市 ―
ライブハウスと私 兵頭尚吾前回の続き。
東京のライブハウスで働いた私が山口県周南市へ移住した2007年。
約半年後にライブハウス「LIVE rise SHUNAN」を開いた。
知人も友人もいない街で始める商売には不安しか無かったが、それを見事に打ち崩してくれたのが「お客さん」だった。
東京のライブハウスに遊びに来るのは「出演者のファン・友人・家族」が主で、お目当ての出演者が出演する時間だけ遊びに来て、終わったら直ぐに退場する人がほとんど。それが当たり前の光景だった。
だけど、この街のお客さんは1番目の出演者から最後まで、皆で一緒になってライブを見てくれる。
「山口県に来てくれてありがとう」
「ツアー頑張って!CD買うよ!グッズ買うよ!」
初見の出演者を快く受け入れてくれる優しさに、多くの出演者、そして僕自身もお客さんに惚れ込んだ。
「山口熱い!!あんなカッコいいお客さんがいる街なんて日本に無い」
幾度も聞いたそんな言葉を鮮明に覚えています。
ガラガラのライブハウスだけど、常にあるとても暖かい空間。
知人も友人も居ない街に、すれ違った時に声をかけてくれる人が増えていく。
街の暖かさは住まないと分からない。
都会では感じられない、この街独特の一体感。
一瞬一時を全力で楽しんでくれる山口県のライブハウスファンのあなたの力はとても大きな存在なんです。
音楽だけ頑張ってもこの街は大きくならない。
音楽の出番は衣食住が満たされた後かもしれない。
でも、僕たちは音楽しか出来ない。
この街が発展する力になれるのであれば、僕たちはいつまでも音楽の場所を提供し続けます。
この街に来て16年。
徳山商工会議所青年部(青友会)の仲間を始め、たくさんの財産が出来ました。
その仲間の話を来月の最終回にしたいと思います。
また来月、この場所で。
