コラム・エッセイ
No.83 今年は寂しい里山…でした。
美人薄命 走れ!おばさん 中村光子加齢と共に、物忘れがひどくなり、記憶もおぼつかなくなった。
数年前、友人から両手に抱きかかえきれない程の、フジバカマを貰った。我が家で、一番大きな壺に、ばっさりと投げ入れ…た。次の日の朝、見たこともない、大きくて美しい蝶(チョウ)が1羽、フジバカマに止まっていた。蝶に詳しい友人が“アサギマダラ〟だと、教えてくれた。
私の愛読書「広辞苑」を繰ってみた。「マダラチョウ科の大形のチョウで、翅(はね)は、青灰色半透明云々と、表記してあった。
アサギマダラは、日本全土、又、隣国の中国にも広く分布しているそうだ。アサギマダラはフジバカマが好きで、人間には匂わない香りのあるフジバカマにしか羽休めしないらしい。
我が本棚から、植物図鑑2冊をうんこらしょと、取り出した。その図鑑には、特徴や種類・薬用は記載されているが、アサギマダラが好物とは載っていなかった。図鑑が古いからだろうかなあー。
所で、アサギマダラの話の前に、飛来地・金峰の里の事を書く。
私の尊敬する千葉在住のT氏は、母上の老後のお世話のため、故里・金峰に帰郷し、家を建てられた。ずーと昔の話…だが。
T氏は行動力のある方で、帰郷と共にすぐ「吉野の里を作る会」を立ち上げられた。金峰の村道に、桜や菜の花を植える運動だ。
やがて、道筋の桜はT氏に応え、立派な桜並木道になり、春にはたくさんのイベントを開き多くの人が訪れた。
ところが、数年後、奥方が亡くなられ、T氏は千葉へ帰られた。少し手伝いしていた私もその後、金峰と疎遠になってしまった。
そして、近年、金峰はアサギマダラの里として有名だと知り、昨年、久し振りに金峰の里を訪れた。
山の斜面にフジバカマがびっしりと植えてあり、秋には花が咲き競った。所々に休憩所や見物場が設置してある。見物客がゆっくり楽しく観賞出来る心配りだ。
「アサギマダラの里」と、染め抜いたのぼり旗が秋風に乗って揺れ、愛でるひとの気分も盛りあがる。
遠くから飛来したアサギマダラは、フジバカマの花の上でしばらく骨休みをし、越冬のために南下するのだ。
所が、今年、フジバカマは枯れてアサギマダラは飛来しなかったと言うではないか。
えっ、そんなことがあるの?と、物好きな私は、金峰へ出かけた。昨年の賑わいは何処へやら、心配して来たひと達が、何人か…。
来年は花が咲き、蝶がたくさん飛来しますように…。
