2026年01月20日(火)

コラム・エッセイ

No.90 老いには…勝てず

美人薄命 走れ!おばさん 中村光子

 12月8日は夫の祥月命日である。昭和60年に、夫は食道ガンの大手術をした。当時はまだ、背中を切り開き胸にまわって手術する方法だった。幸い手術は成功したが、10年後に再発してしまった。

 天使の部屋で

 がまんしてください

 がまんしてちょうだい

 がまんして

 わたしはあなたに

 なにをがまんして

 ほしかったのだろう

 しぬほどくるしんでいるときに

 おろかにも

 がまんして と

 たのんだのだ

 夫が病気と闘っている時に、出来た詩だ。

 暗い話はやめよう。

 12月8日の早朝、親友のタコから貰った沢山の菊の花と、ハナシバを抱きかかえ、徒歩で墓所へ向かった。

 75歳の時、運転免許証を返納した。バレーボールにうつつを抜かしていた頃、3人のバレー仲間を乗せて練習場へ通っていた。3人とも、とても優しいひとたちだ。万が一、交通事故でも起こしたら大変なことになると思い、返納したのだ。

 そんな私を、娘は可哀想と思ったのか、ナント、黄色の自転車をプレゼントしてくれた。どこへ行くにもルンルン気分で、さっそうとペダルをこいだ。

 が、寄る年波には勝てず、只今、自転車は玄関先で私を見守っている。今、外出は徒歩だ。時々、友人の車に便乗するが、少し遠慮がちに乗っている。

 「昔は、走れ!おばさんに乗せてもらっていたのだから」

 と、私の気持ちを楽にしてくれる。

 若い頃、と言っても40代頃、ちんたらと走ったり、下手なバレーボール等をしているうちに、無理がたたったのか、この頃足先がしびれるようになった。

 まあ、満身創痍状態ではあるが、少しの痛みやしびれぐらい我慢するように、我が足をパシパシとたたいて、言いきかせている。

 徒歩での墓参りは、往復2時間半もかかった。足も弱り、物忘れもひどくなった昨今、行動範囲も狭くなった。

 我が遊び場にも、誰もお茶を飲みに来ない日がある。従って、誰とも話すことがない。

 本を読んだり、私のもっとも得意な“広告紙で作るゴミ箱〟折りに励んでいる。

 その作業に飽きると納戸に頭を突っ込み仕舞い忘れて、何十年も見たことも使ったこともない、漆塗りの茶器や菓子入れ等が出てくる。矯めつ眇めつした後、元へ返す。

 そ、そんな毎日です。

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