コラム・エッセイ
児玉源太郎調査事業
翠流▼児玉源太郎資料調査報告書が完成した。A4判で455ぺージもある本だ。児玉が創設した図書館「児玉文庫」など徳山との関係が詳しい。エピソード集も人柄が伝わってくる話が集められている。
▼3年間の資料調査事業は2019年度で終わったが、次の段階としては、気軽に手にとることができるコンパクトな普及版の報告書がほしい。
▼児玉はすでに小説や評伝も何冊かあるし、台湾統治や日露戦争を語るうえでは欠くことのできない存在としてさまざまな場で取り上げられことも多い。ただ、それは日本を近代国家にした人物の一人としてで、「徳山の児玉源太郎」や「人間児玉」を紹介してほしい。中高校生にも勧められる読み物の刊行は出身地ならではの事業となることだろう。
▼その第一歩として、何を伝えるべきかを考える、調査事業に携わった人などのパネルディスカッションを開いてはどうだろうか。ようやく、新型コロナウイルス感染も落ち着きつつある。秋ごろなら可能ではないだろうか。
▼そして、いつか、児玉や英語教育のパイオニアとなった浅田栄次を始めとする先人の顕彰館を建てたい。周南市美術博物館は美術と歴史の2つの分野の展示、研究をしているが、展示してほしい収蔵品は年々増えていく。将来はそれぞれ別の建物にして充実を図るべきだろう。その結果が明治維新や、日本、台湾などアジアの近代化の中で山口県人、特に県東部ゆかりの人たちが果たした役割の顕彰につながれば何よりだ。(延安)
