コラム・エッセイ
「地域と共に」
翠流▼マツノ書店の松村久店主の取材は銀座の店を入って右手の壁いっぱいに定額の本がならべてある階段を上り切った先の事務室だった。山口県の幕末、明治維新関係の復刻本が出るたびに日刊新周南で紹介した。
▼松村さんが亡くなって2年。徳山駅前地区の市街地再開発で11月にマツノ書店が銀南街のb&dに移転することになった。
▼b&dは5年ほど前に西京銀行の支店だった建物を改装してオープンしたトータルセレクトショップ。店内には本屋もあった。店の面積が5分の1になるそうだが、b&dは「ブローム(咲く)&ドリーム(夢)」から名付けられた。b&dならではの展開を楽しみにしたい。
▼山口県関係の古書が充実しているマツノ書店。先日、下松商工会議所の会頭などを務めた故山田宏さんの商議所報に掲載した文書や対談、講演などをまとめた本「地域と共に」を見つけた。
▼1984年の会頭就任当初から「住む人、訪れる人を増やす」と明確でわかりすいテーマを掲げ、「考え」「話し合い」「勇気を持って行動する」会議所活動に取り組んだという。
▼その成果は1993年の下松タウンセンター落成をはじめ、Kビジョンの設立や、下松市は参加しなかったが周南市の誕生となって実現し、今も周南地域の発展の礎となっている。「大きな方向づけを大切にしながらも、できることから一つずつ実行を」と説いてもいる。今も変わらないまちづくりの要諦ではないだろうか。(延安)
