コラム・エッセイ
新南陽地区の記憶
翠流▼旧新南陽市時代に建設され、新南陽地区のシンボルになっている永源山公園。山頂にはオランダとの交流にちなみ、現地の風車を再現したというゆめ風車が回り、春にはチューリップや桜が咲く。夏は園内のプールがにぎわい、これからは紅葉の季節を迎える。
▼園内には郷土美術資料館・尾崎正章記念館や、同地区出身の青木健作の文学碑、古墳などがあり、新南陽地区の文化、歴史を伝える施設でもある。市はネーミングライツで愛称を募集しているが、企業の宣伝ではなく、その存在価値にふさわしい命名と公園施設の充実が期待される。
▼新南陽地区では新南陽総合支所も旧市役所跡に建てられることになった。総合支所は市役所の窓口にとどまらない、地域振興の拠点。窓口としてだけなら、現在のイオンタウン周南内の仮庁舎でもいいかもしれないが、市によると災害時の対応などに備えて自前の施設が必要という。
▼新南陽地区でもう一つ、課題となっている施設が「新南陽民俗資料展示室」だ。資料を収蔵している施設が老朽化し、現在は1年に一度、企画展が開かれているだけだが、新南陽地区の歴史、産業、暮らしに関連した資料がたくさん集められている。担当職員などの手づくり品もある。以前は常設展示され、これらの所蔵品を使った昔の生活の体験もできて好評だった。
▼永源山公園内に新しい施設を建てるとか、新総合支所に併設させるなど、地域の記憶を後世に伝えるため、知恵をしぼる時ではないだろうか。(延安)
