コラム・エッセイ
手づくりマスク
翠流▼今日(3月30日)の昼のニュースのトップは人気コメディアン、志村けんさんの死去だった。まだ70歳。つい3週間前まで元気に活躍し、連続テレビ小説にも出演予定だったという。それが新型コロナウイルス感染症による肺炎で急逝した。
▼政府は近く米国やヨーロッパの大半の国、アジアからの外国人の入国を拒否する方針を明らかにした。3カ月前、誰が今日の事態を予想しただろうか。中国に始まって欧米でも感染が拡大し、毎年、季節性インフルエンザを経験している日本でも緊急事態が宣言される間際まできてしまった。周南市でも警戒が続く一方、飲食業界など影響は深刻だ。
▼予想できない事態に接した時、社会や個々の人間の強い面と弱い面があぶり出される。マスクなどの物資不足、トイレットペーパーや食料品がスーパーマーケットの棚から消える事態は社会の弱さのあらわれ。ものがあっても消費者に届かない。店舗が在庫を持つことを効率化のもとに削減して流通に委ねた結果に見える。
▼その中でマスクがなくなったことで手づくりする動きが広がっている。日用品も食品も無駄なく最後まで使い切ることや、知り合いと融通しあおうという呼びかけも出てきた。人と人は助け合わなければ生活できないし、国と国も争っていては存続が困難になることを改めて知った今回の騒動。感染拡大が終わった時、人類はまた少し進化したと思えるようになっているだろう。その日が早く来てほしい。(延安)
