コラム・エッセイ
東日本大震災10年目
翠流▼東日本大震災から10年目の3月11日。地震と津波に、東京電力福島第一原発の世界最悪級のメルトダウン事故が加わり、惨事はどこまでも大きくなり、原子力発電に支えられている社会に複雑な形で影を落とす。
▼事故のあと、日本の原発がすべて停止した。このまま原発が稼働される日は来ないと思った人も多かったのではないか。自然エネルギーによる発電技術が進歩し、火力発電と合わせて必要な電力が確保される姿も描かれた。
▼しかし、この10年の間に自然エネルギーの不安定さなど課題が論じられる一方で、課題を克服する技術開発の姿が見えなくなり、脱炭素の動きで火力発電に頼れなくなり、原発再稼働が現実のものとなっている。
▼11日は、周南市内では中学の卒業式があり、鼓南中で取材した。同校に向かう道は海沿い。青い海を見ながら同校に向かった。その海の向こうに四国電力伊方原発がある。
▼伊方原発をとめる山口裁判の会が起こした運転の差し止めを求めた裁判で、広島高裁の運転差し止めを命じる仮処分決定に対し、四国電力が申し立てた異議審の決定が3月18日(木)にあるという。
▼11日の午後は徳応寺で「追悼の鐘」。その原稿で「大震災から10年の節目となる」と書いたが、校正で「節目」を消して「大震災から10年となる」にした。復興事業も原発問題も「終わり」はもちろん「節目」も、まだ来ていない、続いているという見方に共感したためだ。3月11日は終わらないことを再認識する日とするしかない。(延安)
