コラム・エッセイ
祈りの大切さ
翠流▼新型コロナウイルス感染拡大の中で「祈り」の大切さを感じることが多くなっている。1日は周南市の徳山駅前広場で三作神楽が上演された。1300年前の大宝年間、大飢饉や疫病の苦難から逃れようと始められたと伝わる伝統芸能。演じたのは中学生や21歳の若者だった。
▼最先端の取り組みとして全国的に注目されている徳山駅前図書館の前で実現した演舞会。近代的なビルの前、水盤もある広場で演じられたが、中学生の堂々とした「弓の舞」、迫力ある「長刀の舞」とも周囲の景観に負けない舞だった。
▼10月は鹿野の清流通りで新型コロナウイルスの退散を願う灯ろう流しがあった。子どもたちが主役。手づくりの灯ろう50基を流す前には読経、流し終わったあとには神事と神仏一緒になった行事。読経の時には子どもたちも手を合わせていた。
▼日本は何とか感染拡大を抑えているが、欧州では第2派が襲来、米国も流行が続く。いずれの国でも医学者をはじめ、科学を総動員して対策が講じられるが、感染拡大防止には一人々々の行動の自制が求められる。
▼3密回避は自分が感染しないためだけでなく、人に感染させないための対策でもある。治療にあたる医療関係者への感謝の気持ちを表す動きも起こっている。その根底には人を思いやり、社会のみんなのことを考える心がある。その気持ちの表現として神仏などに祈りを捧げ、神楽なども生まれてきたのではないだろうか。(延安)
