コラム・エッセイ
「もう少し」
翠流▼菅首相が自民党の総裁選に出馬しない意向を明らかにした。政権を投げ出したといわれても仕方のないやめかただが、首相就任時のニュース映像と最近の首相の映像を見比べると、同じ人とは思えないほどの表情の変貌ぶりに、改めてこの1年、首相だけでなく、日本全体が新型コロナウイルスに苦しめられてきたことを認識せざるを得なかった。
▼それでも、世界を見れば、日本以上の感染拡大が現在も続き、厳しい規制に悲鳴をあげる国や、米国では大統領選でトランプ大統領が強かった州でワクチン接種が進まないという、日本では考えられない、国内対立が生じる事態になっている。
▼報道番組で米国人のコメンテーターが「日本人はまだ我慢強い」と話していた。日本国内でも政府への批判は強いが、世界的には平穏な国なのかもしれない。
▼東京など都会は自粛要請に従わない店も多いらしいが、山口県では知事の飲食店への自粛要請に対し、居酒屋だけでなく、ファミリーレストランや、夕食を食べていた食堂、ラーメン店も多くが従い、生活が不便になった市民の苦情も“ぐち〟のレベルにとどまっている。
▼全国では連日、130万回のワクチン接種が続けられ、感染者が急増している若者向けの接種会場も作られた。県内でも大学生などへの接種が始まった。「もう一息、もう少し」。この1年、何度も聞いた言葉だが、今度こそ、接種推進や自粛の推進に取り組む人が「良かった」と思える状況になってほしい。(延安)
