コラム・エッセイ
「しゅうニャン市」
翠流▼周南市の「しゅうニャン市」プロジェクトの行方が話題になっている。市長選で争点になり、市がこの事業を積極的に進めることに否定的だった藤井律子氏が当選した。市が前面に出て「しゅうニャン市」プロジェクトに取り組むことはもうないだろう。
▼しかし一方でこのプロジェクトに自ら参加した市民、パートナーズとなって協力した企業も多かった。猫の顔のイラストでグッズを作成した企業もあった。市の名称をもて遊んで周南市の誇りを傷つけたとまで言われたが、高校生など若い世代の受け止めかたは違っていた。
▼このプロジェックトの方針を転換するとすれば、しっかりとした説明と、転換の前提となる検証が必要だろう。周南市のまち・ひと・しごと創生総合戦略のシティプロモーション事業に採用されたことから、何千万円もの予算もついた。市議会もこの予算を可決した。周南市のためにと支援、協力した市民、企業。きちんとした説明がなければ、今後、市の事業に協力することに慎重にならざるを得ない。
▼全国キャラバンは災害が多発するなかでどうして「しゅうニャン市」のなのかと疑問を持った市民も多かったが、実際はどうだったのか。周南市に親しみを感じてもらえたのか。隊員は全国を巡り、市役所で机の前に座っていたのではできない体験をしたはず。ぜひ手づくりでよいから市民向けの報告書を書いてほしい。このプロジェクトが負の遺産になることなく、明日につながることを期待したい。
(延安)
