2026年06月26日(金)

コラム・エッセイ

新南陽の記憶、記録

翠流

▼周南市の旧新南陽市役所だった新南陽庁舎の解体準備工事が始まった。1960年に南陽町役場として建てられ、その後、増築を重ね、エレベーターも取り付けられた。

▼福川、富田町は太平洋戦争中の44年に海軍の要請で徳山市に吸収される形で合併したが、49年8月に富田町、9月に福川町が分離独立した。53年10月に両町が合併して南陽町が誕生、55年11月、飛び地であった和田村との合併も実現させた。

▼南陽町になったころからは東洋曹達(現東ソー)、キリンビール、世界長、日新製鋼など大手企業の工場が立地して財政的にも恵まれ、道路、上下水道や新施設を次々に建設したが、その拠点となっていたのが今回、解体される庁舎だった。

▼「日刊新周南」が創刊した85年当時の市長は本田豊輔氏。藤本博吉氏、藤井正彦氏を経て吉村徳昌氏が市長だった2003年に2市2町合併で周南市が誕生した。市役所だったころは連日、取材に訪れたが、市議会も活気があり、勉強になることが多かった。

▼旧徳山市役所の庁舎も解体が始まっているが、新庁舎はすでにオープンしている。一方、新南陽では総合支所が古市のイオンタウン周南の仮庁舎に移ったが、その後の落ち着き先は決まっていない。

▼その中で気がかりなのが新南陽の記憶、記録をどう引き継ぐのかということだ。周南市誕生から15年。旧市町時代を含めた市史の編さんや重要な文書など資料を保管、公開する方策を考えてもいい時期ではないだろうか。

(延安)

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