コラム・エッセイ
「100年先に」
翠流▼周南市の地域づくり活動の共創プロジェクトの発表会から「今を生きている自分たちは100年先へ何を残せるだろうか」と考えた。
▼例えば鹿野の漢陽寺にある「現代の雪舟」と言われた作庭師、重森三玲作の庭の名勝指定を目指す活動。漢陽寺の創建は1374年と650年近く昔。重森の庭が完成したのは1973年。45年前になる。室町時代の名僧で中国で修業、初代住職になった用堂明機禅師の志が重森に庭を造らせ、今に生きていると見ることもできる。
▼大津島の活性化を目指す「石柱庵とナチュラルアート」「地ビール開発 大津島すだいだいビール」もあったが、大津島には大阪城の石垣に使われた石材の残石がある。スダイダイも以前から島で育てられてきた。島の400年の歴史の上に今回のプロジェクトがある。
▼三作神楽の保存プロジェクトの発表もあったが、この神楽の起源は1300年前にさかのぼる。それほどではなくても、どの活動も数百年、数十年前からの先人の営みが基礎となっている。
▼市が支援する期間は3年。3年で成果を形にすることを求めているようだが、それぞれのプロジェクトの由来をたどればあまりにも短い。ビジネスなどで成功するための最も大切な条件は「成功するまで続けること」。
▼このプロジェクトの課題の背景には人口減少や高齢化など全国の多くの地方に共通の状況があるものも多い。解決できれば、発表者の1人が話していたように、全国のモデルになる。息の長い活動に育ってほしい。
(延安)
