コラム・エッセイ
涼みの駅と夏詣
翠流▼周南市で、熱中症予防対策として今年も「涼みの駅」がスタートした。薬局、郵便局、市役所の支所や総合支所など、名乗りをあげた173カ所に、青いのぼりやポスターが掲げられている。
▼気温は6月から連日のように30度前後になり、全国的には35度の猛暑日も増えているという。今年はどんな夏になるのだろうか。▼そんな中だが、外出中、ちょっと休みたい、気分が悪くなったとき、涼しいところで腰をおろしたいと思っても「休ませてください」とは言いにくい。一方、お店の側も見知らぬ人に気軽に「休んでいってください」とは声を掛けにくい。こののぼりは両者の間の垣根を低くしてくれる仕掛けになっている。
▼山﨑八幡宮が夏詣(なつもうで)を呼び掛けている。同八幡宮は、最近では水場に生花を飾る花手水で知られているが、夏場はたくさんの風鈴や風車も参拝者を迎えている。高台にあって周囲を森に囲まれ、涼しく感じられる場所でもある。
▼街頭などで突然、襲われるといった事件が大きく報道され、知らない人に声を掛けることや、用もないのに訪れることがはばかられる雰囲気がある。それでなくても「おせっかい」と思われるのではと、遠慮する気持ちを持つ人も多い。
▼同時に、人のためにできることはしてあげたい、求める人にくつろぎや憩いの場を用意したいと思う気持ちも多くの人が抱いている。涼みの駅も夏詣もその気持ちを表す仕掛け。涼みの駅が周南市以外にも広がってほしい。
(延安弘行)
