コラム・エッセイ
帝人に感謝
翠流▼周南市の櫛浜自治会が十二月いっぱいで閉鎖される帝人徳山事業所に感謝状を贈った。徳山商工会議所の商議所報十二月号も表紙に一九七〇年の進出間もない同事業所の航空写真を掲載。二ページの「帝人ありがとう特集!」で歴史や河野正幸事業所長の思いなどを紹介している。
▼回収したペットボトルを使った原料リサイクル操業、最初で最後となった今年の徳山夏まつりのみこし競演参加、今後の安全対策、跡地利用にもふれ、起工式、創業式の写真も掲載している。
▼全国的に海外移転などで閉鎖、縮小される工場は帝人だけではないが、地元は雇用の機会が失われて税収も減る。その中でこれほど感謝される企業は多くはないのではないだろうか。同事業所のこれまでの貢献の賜物としか言いようがない。
▼周南市でも大企業の工場閉鎖は今回が最初ではない。新南陽地区では靴メーカーの世界長、キリンビールの富田製壜工場が閉鎖された。製造機器の一部などは新南陽民俗資料展示室に保存され、製壜工場内にあった麒麟(きりん)の像は山崎八幡宮の境内に移されている。ネーミングライツでキリンビバレッジ周南総合スポーツセンターにもその名がある。
▼今年は出光興産徳山事業所の六十周年、来年は㈱トクヤマの百周年と節目の年が続く。閉鎖された事業所も含め、周南コンビナートを中心とする製造業の存在は産業のみならず地域の文化、スポーツにと大きな役割を果たしてきた。これらの歩みを後の世代に伝える方法を考えてもいい時期ではないだろうか。 (延安)
