コラム・エッセイ
第九十二手 「囲碁のプロ棋士になるためには④」
「碁」for it 小野慎吾囲碁のプロ棋士になるためには、「日本棋院」もしくは「関西棋院」の院生になる必要がある事は前回ご説明しました。上記2棋院があるのは東京都、愛知県、大阪府です。地方勢で院生を目指す場合は、最寄りの棋院で院生になるか、もしくは引っ越しをして入りたい棋院で院生になるかのどちらかが多い実情です。
当教室で一番強いUさんが「プロ棋士を目指す」ために行動に移した結果、東京に引っ越しをして「日本棋院」東京本院に所属することになりました。これはほんの数か月前の出来事です。プロを目指すためには正しい行動の一つと言えます。
そう思う理由は「日本棋院」東京本院が、一番プロ棋士になるための試験回数が多いからです。まず東京本院では夏季棋士採用で毎年1人プロ棋士になります。この選出方法は、東京本院に所属する院生内で4〜6月期の院生研修総合(試合)で総合1位となったものが晴れてプロ棋士になれます。2023年11月時点で東京本院には46人の院生が所属しており、その中で1位になる必要があるため楽な試験ではありません。
次に東京本院では冬季棋士採用試験で毎年2人プロ棋士になります。この選出方法は8月から11月に外来予選、合同予選、本戦とかけて行われ、1位、2位が晴れてプロ棋士になります。この選出方法の良い点は、院生で無い一般のアマチュア選手でも予選参加が出来る事です。参加資格は、23歳未満の男女で心身健全な方という至ってシンプルです。そのため、どのようなアマチュア選手が参加するかと言うと、中学・高校生の時に全国大会等で活躍していた選手が、大学進学に際し都市部に入学した場合に受ける傾向が強いです。院生自体は満17歳の年齢に達した学年度までしか所属できません。院生を学年の関係上、脱退した選手はこちらに出るよりありません。冬季棋士採用試験が一番熾烈なプロ試験という印象です。
最後に東京本院では女流特別採用試験で毎年1人プロ棋士になります。参加資格は23歳未満の女性で心身健全な方です。こちらは院生だけでなく、アマチュア選手も出場可能です。12月から2月に院生・外来合同予選、本戦とかけて行われ、1位がプロ棋士になります。東京本院に所属した場合、毎年最大3つのプロ試験に挑むことができます。
筆者は関西の大学に進学をしましたが、大学生時代にプロ試験を一回挑戦すれば良かったと後悔しています。囲碁が好きで今でも続けているため、当時の自分の力がどこまで通用したかが今となっては気に掛かります。
このように詳しいプロ試験の情報を記載したのは、夢に挑戦したい人の少しでも後押しになればと思ったからです。自身の生徒がプロ棋士を目指すという夢は、手放しに応援しています。また、その行動をした事が本人の成長であり、筆者自身にとっては見習うべき姿勢です。
思いを重ねて「碁」for it(頑張る)!
第13回くらしき吉備真備杯こども棋聖戦トロフィー(小学生限定大会)
