2026年06月25日(木)

コラム・エッセイ

第九十八手 囲碁への自信①

「碁」for it 小野慎吾

 囲碁は上手くなってくると、囲碁の技術を誰かにひけらかしたい時期が誰にでも訪れます。それはどんなスポーツ、競技でも同様かもしれません。先日、広島県で開かれた「クレスコ杯第27回ジュニア本因坊戦」のハンデ戦で下記のような一幕がありました。

 小学低学年生同士の対局で勝利した少年が対局相手に対して「ここはこう打てば良かったと思うなぁ」「自分がここに打った時に勝ったと思った」というような内容でした。

このようなものの言い方をしたのは当方の生徒ですが、普段このような事を言ったことが皆無だったため、驚きのコメントでした。

 対局相手にしてみたら内心「失礼な人だなぁ‥」と感じた事でしょう。ですが、当方の生徒ながら成長を感じた場面でもありました。この様な生意気(?)なコメントは、自身がたまたま勝った時などにはなかなか言えません。完ぺきに近い内容で自身が勝ったと思える時にこそ言える言葉です。それはすなわち自身が思う「囲碁への自信」の表れです。

 振り返ってみると筆者も「囲碁への自信」の表れで、生意気を申した事が多々あるためここにご紹介します。(笑)一番記憶に残っているのは、筆者が立命館大学囲碁部に推薦入試で入った時のエピソードです。晴れて立命館大学に合格し、入学前の春休みに同囲碁部に挨拶しに伺いました。約10人以上の先輩部員が新入部員を歓迎するため待ち構えてくれていました。

 まずは新入部員が自己紹介し、その後、先輩部員方が自己紹介をして下さりました。それが終わると先輩部員から、「折角だから対局して行きなさい」と呼びかけてくれました。対局相手の先輩部員は、筆者はもちろん知りません。

 若気の至りからか、筆者が生意気だったせいか?(笑)その時に対局する先輩相手、先輩方に対し「この人って囲碁が強いのですか?」と聞きました。その言葉を発した時、その場の雰囲気が凍り付いたのを今でも覚えています。(笑)
 その時の事を今考えると、まだまだ筆者自身が「井の中の蛙」と知らず、高校生時代に高校内で囲碁全国2位、3位を複数獲得していたため、大学に入っても同様な囲碁の成績を収める事は可能であると思っていた節があります‥。

 対局して下さった相手はとても強く、「あれ、思ったより強いなぁ」と思いつつ打った記憶があります。対局結果は、筆者が最後に逆転勝ちを収め、当時は「ほらやっぱり勝ったでしょ」と思った記憶があります。後から聞いてみると当時、同囲碁部で一番強い主将であり、中学全国2連覇していた偉大な先輩でした。生意気な後輩が勝って、場は『どうする』という雰囲気が流れていた気がします‥。

 有言実行(?)をした筆者は、これは面白い後輩が来たと思ってくれた明るい先輩2人とあっという間に仲良くなり、一瞬で友達になりました。今考えるとどう思ったらそんな自信が出て来たかわかりませんが、囲碁をやり込んでいたため、そう思い込むことが出来た時期でした。時に生意気も必要だと思っています。(笑)

 自信を持って「碁」for it(頑張る)!

クレスコ杯ジュニア本因坊戦広島大会の様子(9路盤の部)

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