コラム・エッセイ
第百三十九手「囲碁普及の準備」
「碁」for it 小野慎吾筆者は小学校から高校まで、何度か囲碁普及を学校でさせて頂いた経験があります。
複数人によるケースと筆者のみのケースそれぞれあります。最近では筆者のみが多いです。それもそのはずで、学校で囲碁普及をする時間は日中のため普通の会社員は働いている時間です。実際に囲碁体験をして貰う指導方法は、筆者はこの道で15年以上なのでそれなりのノウハウがあります。10人以下であれば筆者一人でも十分に囲碁体験教室は可能です。
一人で大変なのは事前準備です。例えば囲碁体験教室を受ける生徒が10人の場合、碁盤・碁石は共に5セット必要です。(囲碁は二人でするゲームのため)筆者は普段、様々な囲碁教室をしているため自宅には碁盤・碁石は30セット以上保有しています。ですが、それは正規(19路盤)の碁盤・碁石のため、持ち運びには適していません。持ち運びがしやすい折り畳み碁盤でも縦、横40センチ弱あります。重さは約2キログラムです。
碁石は黒石181個、白石180個(19路盤は361カ所打つ場所があるため)で合わせて2キロ以上の重さがあります。碁盤と碁石を5セットとなると総重量20キロ以上を一人で持ち運びしなければなりません。囲碁体験教室をする場所が3階以上の場合は、想像を絶する大変さです。(笑)
それ以外に持ち運びをする場合、碁石の蓋に養生をしなければなりません。養生をしなければ碁石が黒、白共に持ち運ぶ袋内でぶちまけます。※持ち運ぶ袋内で散乱した碁石を見ると、すごくテンションが下がります…。(笑)行きも帰りも念入りの養生をしなければならず、囲碁体験教室後、自宅に帰ってからその養生を解くのも大変です。
この度、その大変さを解消するために学校等の囲碁体験教室専用の小さな碁盤・9路盤の軽いものを購入する事を決意しました。9路盤でも材質が木の場合は1つ500グラム以上の重量です。更に軽量な碁盤がありMDF材(細かくした木材を圧縮した合成木材)の碁盤の場合、150グラム以下となるため持ち運びが楽になります。碁石も9路盤であれば黒石41個、白石40個で足りるため、重さは500グラム以下になります。
9路盤は19路盤より小さく、最初の囲碁体験教室で教えるのに最適です。では何故、今まで9路盤を用意して来なかったというと、それはその経費の問題です。9路盤の碁盤・碁石セットは1セット2千〜3千円弱かかります。囲碁普及の有志に相談した所、快く碁盤・碁石セットの費用をご負担して頂きました。9路盤・碁石を10セット用意する事が出来ました。
ここから先は、筆者が頑張る番です。有志の方々の囲碁普及の思いも筆者が微力ながら実現して行きたいと思います。この場を借りてお礼を申し上げます。囲碁の対局は一人では出来ません。同じく囲碁普及も一人では出来ません。筆者は手助けをしてくださる様々な「碁縁」をとてもうれしく思います。
碁縁を大切に「碁」for it(頑張る)!
