2026年10月23日(金)

コラム・エッセイ

(60)春らんまん

再々周南新百景 佐森芳夫(画家)

 ついに、4月の中旬をむかえた頃になって、急に強い雨が降り、強風が吹き荒れた。これまで、おだやかな天候のなかで何とか散りきらずに残っていた桜の花びらも、強風にあおられて次々と吹き飛ばされていった。

 例年よりもかなり遅く吹き荒れた花嵐に、季節が立ち止まることなく移り変わっていることを思い知らされた。そして、花びらが散ったあとの桜の木には、すでに新緑の若葉が育ち初夏にむけての準備が進んでいた。

 季節の移ろいは、それを望んでいたとしても、望んでいなかったとしても、つねに変わっていくものである。その変化は、時には待ちどおしいと思うことも、時には過ぎてほしくないと思うことも、あるに違いない。

 各地で桜の満開が長く続いた今年の春は、記憶だけでなく、記録に残したいと思う場所が多くあった。その中の一か所が、周南市富田の永源山公園(TOSOH PARK永源山)の山頂にある「ゆめ風車」の風景であった。

晴れ渡った青い空と春らんまんの永源山と風車が絶好の風景を描き出していた。さらに、発達障害啓発週間であった4月2日(水曜日)から8日(火曜日)までの夜間は、「ゆめ風車」が青色でライトアップされた。

 毎年行われているであろう「ゆめ風車ブルーライトアップ」であるが、満開の桜の花との共演は珍しいに違いない。旧新南陽市の街中からは、夕暮れとともに夜空に浮かび上がってくる青色の風景を見ることができた。

 常日頃から市民に親しまれている「ゆめ風車」であるが、風車の羽根は常に動いているわけではない。動いているのは、強風など特別な場合を除き、土曜、日曜、祝日の開館時間10時から15時までの間となっている。

 閉館時など風車が動いていない時の羽根の位置は、十字の形になっている。いつも同じ形で止まっているのは、これが小休止の時の位置だからであろう。そのほかにも、大休止のときの位置や祝い事があったとき、忌み事があったときの位置があるらしいことを「春爛漫」が教えてくれた。

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