コラム・エッセイ
延焼を防いだ消防技術
周南漫歩◎火災発生直後の取材はなかなかできるものではない。出火直後にたまたま現場近くに居合わせない限り難しく、警察発表を受けてから駆けつけても、たいていは鎮火からしばらくたった後だ。
◎しかし3月31日に光市室積松原で発生した住宅火災は別だった。たまたま近くの市心身障害者福祉作業所つつじ園の閉所式にいたら、取材を終えたころに近くの民家から立つ黒い煙が見えた。
◎おかげで閉所式に来ていた本社など報道各社は、すぐに火災現場の取材体制をとることができた。火事の恐ろしさを紙面で伝えるには出火後の早い段階での取材が不可欠であり、防火意識の高揚を訴える紙面づくりには大切なものだ。
◎取材を通じて、住宅密集地にもかかわらず延焼を見事に食い止めた光地区消防組合の消防技術の高さに脱帽した。きっと家の密集の度合いや風向きを冷静かつリアルタイムに計算しつつ、効果的で迅速な消防活動を展開したのだろう。現場の消防士はもちろん、指揮役の幹部の尽力に拍手を送りたい。(山上)
