コラム・エッセイ
時間の「半」表記
周南漫歩◎時間を表す本紙の表記から「半」が消えた。例えばこれまで10時30分を「10時半」と書いていたのを「10時30分」の表記にするものだが、きっかけは読者からの思わぬ指摘だった。
◎「半」は二分の一を表す数詞で、数助詞を後に付けて「半年」や「半世紀」のように使う例も多い。口頭でも「○時半に○○で会おう」など普通に使われているといえる。
◎しかしある読者から「記事で“半”とあると見落としやすい」と指摘された。20分や50分のように他の分表示は洋数字なのに、なぜ30分だけ「半」なのかと。実際にこの読者は本紙の行事の予告記事で10時半を10時と勘違いして行動したことがあるという。
◎これまで死角だった時間表記だが、協議の結果、「半」はやめて他の時間と同様に「30分」と表記することにした。どこまでも読者目線であるべき新聞の表記の大切さを改めて感じた指摘だった。この視点は大切にしていきたい。
(山上達也)
