コラム・エッセイ
[ベトナム]ベルトが結んだ草の根交流
周南漫歩◎思わぬハプニングが最高の友情を育むことがあるものだ。ベトナムの首都、ハノイを訪れた際に心温まる体験をさせてもらった。
◎筆者は結成30周年を迎えたNPO国際ボランティアIMAYAの「原点を訪ねる旅」に参加したが、夕食交流会の最中になぜかベルトが切れた。ベルトはかなり古かった。
◎同行の岩本功理事長やハノイでIMAYA活動を支え続けた女医のグエン・トゥイ・ビンさんに事情を話し「新しいベルトを買いたいので店を教えてほしい」とお願いした。
◎翌朝、ビンさんの夫のチャン・ラックさんが車に筆者を乗せて市内を走ってくれたが、土曜の朝だからか開いていない。するとラックさんは「私が修理していいですか」と私に提案した。
◎もちろん快諾すると、ラックさんは自身の古いベルトを何本か取り出し、筆者のベルトと幅が同じベルトを探してバックルを外した。筆者のベルトの切れたところをビンさんがハサミで切ってラックさんがバックルを取り付けると、あっという間に元通りになった。
◎まさに神技、ものづくりの巨匠そのものだった。筆者は「This belt is friendship symbol of Vietnam between Japan」とラックさん、ビンさん夫妻にお礼を述べた。
◎ベルトを安易に買い替えていたら、こんな体験はできなかっただろう。夫妻のご厚意のベースにはビン医師と岩本理事長の30年に渡る友情と信頼があった。だからこそこのベルトは、筆者にとって最も大切な記念品の一つになった。
(山上達也)
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