コラム・エッセイ
光市と松戸市の縁
周南漫歩◎周南地域から遠く離れている千葉県松戸市が、光市や山口県と思わぬ縁で重なるものだ。松戸市の本郷谷健次(ほんごうや・けんじ)市長(76)が4期目の任期を残して6月2日付で辞職を表明したが、本郷谷市長はかつて光市の新日鉄光製鉄所に勤務した経験を持つ「元光市民」だ。
◎本郷谷市長は体調不良から辞職を決意した。後継者に指名した小玉典彦副市長(49)は国土交通省の官僚で、2013年から5年間、山口県に出向して総合政策部や土木建築部の審議監を務めた縁がある。
◎松戸市は東京都や埼玉県に隣接した人口約50万人の大都市で、松本清市長時代の1969年に全国初の「すぐやる課」が設置されたことで有名な市でもある。松本市長はドラッグストアチェーン大手「マツモトキヨシ」の創業者で知られる。
◎光市でも松戸市のすぐやる課の設置から2年後、36歳で初当選した松岡満寿男市長が「市民サービス課」を新設し、松戸市に劣らないスピード行政を展開した。松本市長と「昭和市長会」のセミナーでの出会いがきっかけだったという。しかも松岡氏は本郷谷氏と同じ新日鉄の出身だ。
◎光市と松戸市、山口県をグルグルとつなぐ不思議な輪。ともに故人となった松岡氏と松本氏は、その足跡と行く末を天国から見守っているのではないだろうか。
(山上達也)
