コラム・エッセイ
「いたずら電話」? どっちがじゃ!
周南漫歩◎この時は「どの口が言うのか」と心底から相手に言いたくなった。筆者宅の固定電話にかかってきた不審電話でのことだ。
◎電話に出ると女性の自動音声で「こちらはNTTカスタマーセンターです。2時間後にこの電話は使えなくなります。オペレーターと話したい方は1番を押してください」とアナウンスが流れた。一瞬で不審電話だと直感したが、どんなやりとりになるのか確かめてみたくて、1番のボタンを押した。
◎すると「こちらはNTTカスタマーセンターです。どうされましたか」と男が応答した。筆者は「どうされましたかじゃなくて、お宅から電話がかかってきたから何だろうと思って1番を押したんですよ。うちの電話に何があったのでしょうか」と聞き返した。
◎男は「こちらではお客様からのご相談に応じています。お客様のご用件をお話しください」という。筆者が「何をおっしゃいますか。うちの電話に何らかの用件があるから電話してきたんでしょ。うちの電話にどんな用件があるのか教えてくださいよ」と言い返すと、男は沈黙した。
◎筆者が「あなたが何も話さないなら電話は切りますよ」というと男は「いたずら電話はやめてくださいね」と捨てぜりふを吐いて電話を切った。いったいどっちが「いたずら電話」なのか、笑止千万だ。これで不審電話だと確信できた。
◎この一連の行為は何が目的なのだろう。もし筆者が男の口車に乗せられてうろたえたら、言葉巧みに個人情報が聞き出されて詐欺被害に誘導していかれたのだろうか。お盆の最中、うそ電話詐欺被害の入り口に立たされた思いがした。
(山上達也)
