コラム・エッセイ
働いて働いて…
周南漫歩◎昨年の流行語大賞でトップ10入りした高市首相の「働いて働いて働いて働いてまいります」は、皮肉にもこのたびの電撃的な衆院解散総選挙で、全国的に与える影響は相当なものがありそうだ。
◎各自治体の選挙管理委員会はてんやわんや。県内では県知事選とのダブル選となり、事務作業も開票事務も2倍以上に「働いて働いて…」とならざるを得ない。各自治体で新年度の当初予算編成に携わる職員にも、国の予算案の年度内成立が危ぶまれる中、予想外の「働いて働いて…」を強いられるだろう。
◎各立候補予定者の陣営も「働いて働いて…」の最中だ。急なことで選挙事務所やスタッフの確保、ポスターや選挙カーの手配、演説会の開催準備など、秘書軍団は頭が破裂しそうなのではないか。
◎印刷や看板など選挙用品を手配する業者も「働いて働いて…」だ。特需とはいえ特定の物品が不足し、同業者同士で融通し合う苦労も想定される。
◎そして我々報道機関にとっても「働いて働いて…」が強いられる。ただでさえ三つ巴の県知事選に、再び接戦が予想される衆院選山口2区の激戦の取材が加わると、取材や情勢分析に割く時間がどうしても必要で、休みさえ十分にとれない覚悟が求められる。体調管理は喫緊の課題だ。
◎首相自身が「働いて働いて…」と職務に精励するのはいいが、予期せぬ異例の解散総選挙で全国の広範囲の人たちに「働いて働いて…」を強いることを首相自身はわかっているのか。首相自身の発言と行動から、さまざまな業界や関係者の長時間労働が肯定されることを、首相が願っているとは決して思いたくない。
(山上達也)
