コラム・エッセイ
酒と文化の秋♪
随想 猫の目 吉原 雍《神無月(かんなづき)》
月日のたつのは早いものでもう10月。昔は神無月と呼ばれた。
60年前、徳山高校の古文のパクー(木村先生)の授業。
「神話時代、10月は神様が出雲の国に集まって会議をしたので全国に神様がいなくなった。それで神無し月」
「その会議で男女の結婚相手を決めた。指名されないと翌年までお預けになった(笑)」
《噛み成し月》
パクーの授業はさらに続いた。
「10月は噛み成し月とも呼んだ」
「昔の酒は、清純な乙女が出来立ての新米を噛んだのを発酵させて造った。だから噛み成し月。
君らのお母さんみたいなおばさんじゃなくて、徳高の女子みたいな乙女が噛んだんじゃ、フフフ」
坊主頭で鼻眼鏡のパクーが、いやらしい顔をして僕たちを見回したような記憶がある。(笑)
ちなみに、おばさんが噛んでも酒になるかどうか、初紅葉に聞いてみよう。(笑)
いやあ、神話時代の日本の10月は、のどかで大らかで酒を飲んで恋をして♪まるでイタリアみたいだったね♪
《せわしい今の10月》
だが現実の10月は誠にせわしい。
9月からコロナが沈静化して「良かった、これからだな」と喜んでいたら、10月早々から世の中が騒々しくなった。
「ワクチン、マスク、検温がOK」なら「外出、夜間飲食、他県移動もOK」など。
そして極めつけが月末の総選挙。何でもありのせわしい10月になっちゃった。(笑)
《素晴らしいノーベル賞の世界♪》
そんな薄っぺらで騒々しい俗界と違って、先日発表されたノーベル賞の世界は素晴らしかった♪
誰も予想しなかった元・日本人の真鍋博士が気象学系の物理学賞を受賞した♪
彼は50年前、給料も研究費も少ない日本を見限って、アメリカに頭脳流出した現・米国人。
アメリカで巨大コンピューターを好きなだけ使い、地球温暖化の予測システムを作った。
受賞会見で博士は警告した。
①昨今の地球の異常気象は今後更に悪化する。
②好奇心を大事に育てる教育が必要。特に子どもの。
③周囲の顔色を気にして暮らす(ハーモナイズ)日本社会は自分には合わない。
平和賞を受賞したマスコミ活動家2人も素晴らしかった。
ロシア、フィリピン、アフガン、中国など平和と人権が危ぶまれる諸国への警告だ。
人類は気候変動、平和の問題に本気で再挑戦するか、破滅に向かうか、ノーベル賞が改めて問いかけた。
《いま三匹の猫で》
「向道湖ふるさと芸術村・写真グループ展」、文化と芸術の秋♪、24日(日)まで。
(ギャラリー三匹の猫)
