コラム・エッセイ
ある別れ♫
随想 猫の目 吉原 雍《作曲家、フランシス・レイさんが》
亡くなったと伝えるニュースの、甘く切ない映画音楽を聞きながら、おしゃれで、懐かしいなと思った。
南仏ニース生まれ。長い間、シャンソン歌手のグレコ、モンタン、ピアフらの伴奏をし、ピアフの死後、映画音楽を作曲するようになった。
《心に残る映画音楽》
彼は言った。
「私の目指す映画音楽は、映画の付属品でなく、もう1人の登場人物。一つの物語を持ったシャンソンみたいな音楽」
やっぱり、道を究める人は違うね。
1970年代のフランス映画を彩った彼の音楽には、現代のロマンチシズムと、悲喜こもごもの男女の感情が凝縮されていると、評価された♫
次々に発表した中で、特に大ヒットしたのが次の2曲だった♪
けだるい男女の混声スキャット(ダバダバダ♫)で有名な「男と女」。
親友、アラン・ドロンの勧めで作曲した哀切な「ある愛の詩(うた)」。
《ある愛の詩》
この「ある愛の詩」というハリウッド・メロドラマを、僕は40数年前、メキシコで観た。
女優、アリ・マッグロー主演で、アカデミー賞の作曲賞、男・女優主演賞、作品賞、監督賞、などを総なめした名作。
主役の大学生2人は大学図書館で知り合って愛し合い結婚するが、彼の親に反対され、勘当される。
2人の新婚生活は貧しく、彼女は退学して働く。やがて彼は弁護士になり、2人は幸せな日々を送るが、ある雪の日、突然、彼女が倒れる。
重病で余命も短いとわかり、残された日々の2人の切なさ、生と死、愛と感謝…。
《愛とは後悔しないこと》
彼女は病床で彼を見あげながら何度も言った。
Love means never having to say you are sorry 。
余談だが、この英文を日本用に「愛とは決して後悔しないこと」と訳したのは、名画「カサブランカ」で「君の瞳に乾杯」と名訳したあの翻訳者。さすがだね!!
当時の僕は若くてメキシコ留学中で、愛とは後悔しないことなどわからなかったが、1人で涙ぐんだものだった。
当時は現地のバーでも「ある愛の詩」が大人気だった、懐かしい♫
きょうはレイさんのおかげで、メキシコや素晴らしい映画や、いまは僕にもわかる人生や人情の機微に触れることができた、ありがとう♫
《最後にトランプさんへ一言》
僕の思い出のメキシコ経由、南米移民群が北上中、弾圧ご一考!!
《いま三匹の猫》
「秋風をまとう かすりとさをり」展(兼)「大隅睦子さんお別れ展?」開催中♫。25日まで。
(ギャラリー三匹の猫)
