2026年04月29日(水)

トップインタビュー

食文化の変化に沿って

株式会社シマヤ社長 原田道太さん(48)

PROFILE

はらだ・みちた
周南市生まれ。青山学院大卒。三菱商事勤務を経て1997年シマヤ入社。
広域流通部長、取締役を歴任し、2007年5代目社長に就任。

みその消費低迷に歯止めがかかりません。全国味噌工業協同組合連合会によると、みその全国出荷量は2000年で50万トンあったのが、2017年は41万トンと18年間で2割近く減りました。
 人口減、食卓の西洋化、減塩志向などの要因が考えられます。中でも女性の社会進出に伴い、調理に簡便性を求める声が高まったことが大きいでしょう。
 その証拠に生みその出荷量は減る一方ですが、即席みそ汁の販売量は増えています。家事の時間を削るために調理を簡単に済ませたい意識が表れています。
シマヤは2月にフリーズドライの即席みそ汁を発売しました。即席汁販売は実質的に初めてで、これまでは基本的に生みそ一本で展開してきました。
 シマヤはみそ屋で創業しました。1964年に全国で初めて風味調味料「だしの素」を売り出し、事業の柱に成長しました。それに伴ってみそ部門が手薄になり、即席みそ汁の開発も進みませんでした。
 11年に東洋水産と業務・資本提携し、みそ部門の収益もシビアに見られるようになりました。みそは創業事業ですからやめる訳にいきません。14年にみそ事業部を創設して生産、営業の両面でテコ入れを図りました。
それで即席みそ汁の開発にこぎ着けたのですね。
 生みその消費低迷は今後も避けられないでしょう。生き残るには調理の簡便性を求める消費者ニーズに合わせて加工度の高い製品の開発に力を入れるべきだと思います。
国内の消費減とは裏腹に輸出は伸びています。17年は1万6,000トンで2,000年(5,700トン)の3倍近くに増えました。輸出を強化する考えはありませんか。
 山口県は麦みそ文化で当社も麦みそを造っています。麦みそは淡い色をし、保存期間が長期化すると熟成が進んで黒みを帯びてきます。品質的に問題はないのですが、敬遠する人もいます。輸出は輸送期間が長く、麦みそは基本的に輸出に向いていないと思います。それよりも加工度と付加価値の高い製品の開発に目を向けたい。
 17年に「長州漬」ブランドを立ち上げました。京都の西京漬の向こうを張っての銘柄化です。肉や魚を麦みそに漬け込み、加工食品として製品化しました。
 地元企業との共同開発にも乗り出しています。鹿野ファーム(周南市)との「ぶちうまい肉みそ」、カン喜(同)との「長州漬牡蠣」などがそうです。地元で盛り上げ、全国に発信したいと思います。
社員に「みそソムリエ」の資格を取ることを奨励しているそうですね。
 現在6人います。みそソムリエは業界団体でつくる認定協会がみそ離れを食い止めようと制度化しました。みそについて広い知識があり、「利きみそ」ができる味覚と嗅覚が求められます。地元の幼稚園や小学校に講師として積極的に出向いて「出前授業」を開いています。子どもたちにみその良さを伝え、普及に努めます。
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