2022年08月08日(月)

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経済 : 光市のニュース

【山口県光市】後藤厚労相ノババックスワクチン製造現場へ 武田薬品工業光工場

  • 記者会見する左から岩崎氏、後藤大臣、市川市長、古田氏

  • 説明する長尾ヘッド

  • 遺伝子組み換えタンパク質を大量培養するタンク(武田薬品工業提供)

  • ワクチン製造棟(武田薬品工業提供)

原薬から一貫生産ライン視察
市川市長「コロナ禍克服“希望の光”に」

 米バイオテクノロジー企業のノババックスから技術移転を受けて新型コロナウイルスワクチンを製造している山口県光市光井の武田薬品工業光工場(藤原英喜工場長)を23日、後藤茂之厚生労働大臣が視察した。同工場で生産されたワクチンは5月下旬から全国各地で接種が始まっている。(山上達也)

インフルワクチン製造装置を改修、転用

 武田薬品工業は国内製薬の最大手。ノババックスのワクチンは「組み換えタンパクワクチン」と呼ばれる型で、同工場製は国産ワクチンと位置づけられている。国内4種類目の新型コロナウイルスワクチンとして国が4月に薬事承認。既存の新型インフルエンザ製造装置を改修した施設で、年間2億5千万回分を生産できる。

 後藤大臣の視察は報道機関に公開され、大手紙や薬品関係の業界紙、ブロック紙、地元紙、放送局などから約50人の記者が集まった。後藤大臣の警護のため、工場内外や記者会見場には要人警護を担う警視庁のSP(セキュリティポリス)が多く配置され、記者には氏名や車両ナンバーを事前に通知するよう求められ、工場入場時には運転免許証などで本人確認があった。

免疫反応高めて充てん、検査、梱包

 後藤大臣は市川熙市長や、武田薬品工業の岩崎真人代表取締役日本管掌、古田未来乃ジャパンファーマビジネスユニットプレジデントと製造ラインを回って、充てん、検査、梱包の工程を視察。同社グローバルワクチンビジネスユニット・ジャパンワクチンマニュファクチャリングの長尾将男ヘッドが案内しながら説明した。

 各社の記者は同行取材はできず、記者会見場にあるモニター画面を視聴した。

 ワクチン製造棟は鉄筋造り、延べ2万7,115平方メートルで、2012年に完成した。原薬の製造から包装までを一貫作業でこなす。

 原薬はウイルスの遺伝子配列を昆虫の細胞に組み入れて遺伝子組み換えタンパク質を作り、大型タンクで大量に培養し、免疫反応を高める添加剤を加えてワクチンにする。稼働率は非公開。

後藤大臣「ワクチンの安定供給と多様性確保」

 視察後の記者会見では本紙記者ら7人が質問。後藤大臣は「武田薬品工業の取り組みはワクチンの安定供給と多様性の確保につながる。技術移転ではあるが国産ワクチンと認識している」と期待を込めた。

 岩崎代表取締役日本管掌は「光工場は1946年にワクチン製造から始まった歴史を持つ、私どもの心のより所。日本に本社を置くグローバル企業として、今まで以上に投資を進めて使命を果たしたい」と意気込みを見せた。

 視察の感想を聞かれた市川市長も「光工場の設備が素晴らしいことを実感した。私たち光市民の母なる川である島田川の出口に、世界に通用する大企業があることを光市長として誇りに思う。光工場で生産されるワクチンがコロナ禍を克服する“希望の光〟となってくれるように願っている」と話していた。