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経済 : 光市のニュース
【光市】総工費320億円で設備更新 日鉄ステンレス光エリア・連続鋳造設備を最新鋭に
経済光市地域経済浮揚に期待大きく
光市と周南市に山口製造所がある日鉄ステンレス㈱(井上昭彦社長)は7日、同製造所光エリアで総工費約320億円で連続鋳造設備を更新することに関する協定を光市と調印した。来年2月に着工し、2026年上期に完成する。約320億円という巨額な総工費は、地域経済の浮揚に大きな好影響を与えそうだ。
(山上達也)
八幡製鉄時代からの鋳造機を更新
同製造所光エリアは1955年に旧光海軍工廠跡地に進出した八幡製鉄光製鉄所が源流で、以後、新日本製鉄、新日鉄住金ステンレスを経て現在の事業所名になった。事業所内には製鋼工場、薄板工場、棒線工場があり、多様なステンレス素材を生産している。
このたび設備更新するのは、製鋼工場内の「垂直型連続鋳造機」で、八幡製鉄時代の1960年から使われているものという。
ニッケル合金、クロム合金、ステンレスのスクラップを、1,400度から1,600度の電気炉で溶解した「溶鋼」を連続鋳造機で冷延して「スラブ」と呼ばれるステンレス厚板を生産する。
スラブは北九州市の日本製鉄九州製鉄所八幡地区の熱延工場に海上輸送され、薄く延ばして巻かれたコイル状になって光エリアに戻り、光エリアの薄板工場で表面処理をして製品化される。
製品の用途は鉄道車両をはじめ、住宅用の建材、流し台、屋根、車の排気ガス用パイプなど多岐にわたる。整備更新後の生産能力は現在と同じ年間約50万トンを維持する。
市の事業所設置奨励金の適用を申請
調印式は市役所で開かれ、市川熙市長、同社の藤池一博常務執行役員同製造所長が協定書に調印。立会人は県産業労働部の縄田浩之企業立地統括監が務めた。市経済部の芳岡統部長、西村猛次長▽同製造所の佃宣和生産技術室長、一倉輝男光エリア総務室主幹が同席した。
調印式後の記者会見では本紙記者ら7人が質問した。本紙記者の「設備更新に伴う新規雇用はあるか」の質問に藤池製造所長は「老朽化した整備の更新による製造能力の維持が目的のため、人員を増やす予定はない」▽「市など行政の支援制度は申請するか」の質問に佃室長は「光市の事業所設置奨励金の適用の申請を考えている」と答えた。
市によるとこの制度は、投下固定資産税総額2億円以上のケースが対象。事業の開始日以降、最初に固定資産税が賦課された年度から3年間の固定資産税額相当額が奨励金となる。各年度につき1億円を上限にしている。
