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【下松】今年の干支は龍(辰) 寺の外に飛び出した欄間の龍 下松の昔話に登場
地域下松市今年の干支でもある龍は人々にとって幸せを運んでくる身近な存在。このことを伝える、寺の欄間(らんま)の龍が寺から飛び出したという昔話が下松市の河内に伝わっている。
下松市教委が1980年にまとめた「下松市の民話と民謡」に「名工『長五郎』物語」として掲載されている昔話では、嵐の夜、「俺は、むこうの八丈から切戸川にかけて、地をはうように龍が飛んでいくのを見た」という村人が現れ、この話が広がったという。
村人の間には不安が募るばかりだったが、村の学者、西念寺の住職は「いや、これは大吉じゃ。そもそも龍は仏法守護の神である」とさとし、ある嵐の夜、村人たちと龍の正体を見極めようと待ち構えていた。
それが、この龍は西念寺に掛けられていた欄間の彫刻の龍だとわかり、住職はこれを作った長五郎に「二度と飛んで出ないように止(そど)めの釘を打ってほしい」と頼み、それから龍の飛んだ姿を見かけた人がいなくなったという。
長五郎は200年ほど前、花岡にいた名工と伝わり、この西念寺の本堂の欄間の龍のあごには今も大きな釘が打たれている。
「止めの釘」が打たれている欄間の龍