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政治 : 光市のニュース
ひとり親家庭のランドセル贈呈中止 54年続くも「時代の変化」 新入学児童へ今年度を最後に
政治光市光市は合併前の1966年から54年間続けてきた、ひとり親家庭の新入学児童へのランドセルの贈呈を、今年度を最後に廃止する。松村雄之福祉保健部長は「廃止は残念だが、ひとり親家庭の経済的環境の変化や、ランドセルを求める志向の複雑化など、市では対応できない形になってきた」と話している。(山上達也)
この取り組みは故松岡三雄市長時代の66年に制定した「母子家庭等新入学児童祝品支給事業実施要綱」に基づくもので、2011年から父子家庭も対象に「ひとり親家庭等」に改称。市と市社会福祉協議会、市母子寡婦福祉連合会が毎年3月上旬に開く「ひとり親家庭新入学児童のつどい」で、市がランドセル、市社協が図書カード、市母子寡婦福祉連合会が傘と菓子を、ひとり親家庭の子どもたちに贈ってきた。
しかし「ひとり親」家庭の状況が時代の変化で変容。市によるとかつて「死別」がほとんどだったひとり親の理由が、今では「離婚」が大半になり、経済的環境も変わって「ランドセルなら自分で買います」と市からの寄贈を辞退するケースが増えた。
さらにランドセルの購入時期も、小学校入学の前年の4月ごろから検討して5月から夏にかけて購入するパターンが最近では大半と大きく変化。しかし市がひとり親家庭にランドセル受け取りの意向を打診するのは前年年末で、購入の時期とのずれも受け取り辞退に拍車をかけた。
市こども家庭課によると、ここ3年のランドセル寄贈にかかった経費と寄贈実績は、2017年度が40万円、11個▽18年度が54万円、15個▽19年度が69万円、19個。記録が残る2005年度以降で最多だったのは05年度の35個だった。
毎年あいぱーく光で開く「つどい」では市長自身が子どもたち一人一人に優しく声をかけながらランドセルを渡す光景が見られ、式典の終了後には紙芝居、パネルシアターの上演や、保護者向けのライフプラン講座もあって、周南3市には光市にしかない取り組みだったが、市は3日付けで市役所掲示板に張り出した「告示」でこの事業の廃止を決めた。
昨年と今年は新型コロナウイルス感染症対策のため「つどい」は開かれず、ランドセルの受け取り希望者があいぱーく光の窓口を訪ねて受け取る形になっている。
