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読者の声 : 下松市のニュース
[読者の声]
読者の声下松市《女人禁制》先日、舞鶴市での大相撲春巡業で土俵上であいさつしていた市長が突然倒れた。急拠、女性看護師が土俵に上がり、救命措置を施していると「女性は土俵から降りて下さい」とアナウンスがあった。人の命にかかわる際に土俵上の女人禁制は適切か、波紋をひろげている。
協会側は明治以降、女人禁制をかたくなに守ってきたが、その根拠は何だろう。諸説あるが、一つは明治以降の神道に基づく女人は穢(けが)れの思想。一つは五穀豊穣など祈りの場でもある土俵には女神が憑依(ひょうい)し、女性が土俵に上がると嫉妬するなどがあるという。
大相撲は勧進相撲以来、神事、国技と多面的で、世界でまれにみる伝統文化だから女人禁制を是とする賛成派と、かつては女人禁制だった諸行事も当今では解禁化に向かっている。解禁は時代の流れと賛否に別れ、かまびすしい。
女性首長たちが土俵上からあいさつができないと嘆き、子ども相撲では、女児は排除され、八百長相撲や不透明な年寄株売買をめぐって文科省の不興を買い、最近では暴力沙汰の絶えない中、協会は当座の女人禁制の着地点を見つける能力があるのか。自浄能力の乏しい協会は公益法人に値するのか。国民の理解は得られるのか。
昨年、はからずも上級救命講習修了証をもらったせいで、大相撲は好みではないが、この楽屋裏には興味津々といったところ。=下松市栄町、無職、近藤坂良(88)